不妊症とは
不妊の悩み


結婚後2年たち女性が不妊症という烙印を押されたとき、自分の価値を否定されたように感じ、大 変苦しい精神状態に立たされます。女性であることをも否定されたような感覚に襲われ、誰かに相 談することも出来ず大きな孤独感を味わうことになります。

「不妊症は女性の問題」という昔の常識に未だに影響され、近所、親せき、一番わかってほし い家族からでさえ心ない言葉をかけられ、盆、正月の帰省を疎ましく思っているカップルを多 く見受けます。血のつながった家族のもとへの帰省さえも憂鬱に思えてしまうその心中を察す るに余りあります。又子供がいないことにより近所との付き合いも疎遠になり、うつ病になる こともあります。

店頭で不妊症の女性達と向き合いその悩みの深さにふれ、それに反して周りの無神経さと理解 のなさに腹立たしさと歯がゆさを感じる毎日です。女性は罪の意識があるためと、心配をかけ たくない思いから治療していることを家族のものにさえも話さず、又パートナーも非協力的な ことが多いため一人で悩む事が多いのです 。

数々のハードルを乗り越えて妊娠は成立する!


健康なカップルでも妊娠する確立は、1周期につき20%ほどと言われています。この数字に 驚かれる方も多いでしょう。

精子と卵子が出会うまで、そして出会ってから、10あまりのステップがあり、どのステッ プをとっても、微妙なホルモンのバランスが関係し、大変な数から選ばれた卵子や精子、 一つ一つの質が微妙に影響して、普通で考えたら奇跡と言える神秘的な段階を経て妊娠が 成立することを考えると、当然の数字だと思います。

避妊していなければ、結婚後1年以内に妊娠する確立は80%、2年以内には90%と言われて います。1年たった時そのカップルの1周期あたりの妊娠率は4%ほどになります。原因は 様々ですが、1年後に妊娠していないということは、少し妊娠しにくい状態にあると言え ます。

一年経過して妊娠していなかったら何か行動を起こす!


結婚後1年経過しても子宝に恵まれなければ、もう一度自分の体調や生活習慣などを振 り返って見ましょう。 生理周期は一定でしょうか?痛みはありませんか?ご主人様は疲れておられませんか? 人よりも寒がりだったり、体温が低かったりしていないでしょうか?

前記したように生命の誕生には様々なハードルをくぐりぬけてこなければなりません。 その少しずつの微妙なバランスがどこか1か所ほんのちょっと崩れているだけで妊娠で きないのです。ちょっとした生活改善で上手くいくことがあるかもしれません。

治療によりすぐに妊娠できるとはかぎらない


最近不妊症に関する意識が高まり、不妊治療をする方の数が急激に増えているようです。 当 店も、結婚前から来られる方が増えてきました。結婚後すぐに病院治療を開始され、治療のス テップアップが進み結婚2年後に体外受精に挑戦する予定で、体調改善のため漢方薬の服用目 的で来店される方もおられます。ただ不妊治療の現状を考えるとそのような状況を手放しでは 喜べません。「治療さえ受ければ必ず妊娠できる。自分に限って本当に妊娠できないグループ に入ることは考えられない。」「治療に関して不安はあるけれど病院で治らない病気はそれほ どないはず。」

治療を始めるときの気持ちは、皆さんがそのような気持ちに近いのではないでしょうか? その気持ちに反して、現実の数字は厳しいものです不妊症といわれたカップルの中で、一 般不妊治療によって妊娠するのは1年以内で30%、1年半以内に36%、2年以内では43 % というデーターがあります(一般不妊治療ガイダンス-荒木重雄著より)妊娠と言うの は、胎嚢が見えた時点のことを言うので、出産に至ったのはこの数字より低いことかと認 識しております。 高度生殖医療(体外受精・顕微授精)では平成19年度倫理委員会による2006年度体 外受精・胚移植などの臨床実施成績調査にて1周期あたり約20%の妊娠率であり、出産 までにいたるのは10%ほどというデーターが出ました。厳しい治療や高額な医療費、体も 心も傷つき、体調を壊す女性が多い事を考えればその数値はまだまだ低いといえます。

  • 2006年体外受精治療
    周期数___44,778(採卵可能94.3%)
  • 採卵あたりの妊娠___20.1%
  • 分娩数___5,367
  • 採卵あたりの分娩率___11.9%
  • 顕微授精治療周期数___52,539(採卵可能94.9%)
  • 採卵あたりの妊娠率___15.9%
  • 分娩数___4,734
  • 採卵あたりの分娩率___9%

現在、不妊治療ガイダンスが確立しておらず、医療施設による治療格差やサポート体制の 格差が生じ、不妊治療が上手くいかなかったカップルがそのまま放置され不妊治療が基で 離婚するカップル同居に耐えられず家を出るカップルさえあるのが現状です。そのような 背景を考えたとき、ARTの技術が進んできているとはいえ 、安易な考えで医師任せに治療 を受けるのではなく、事前に正確な知識を持って自分で決定し治療を受ける必要があると 思います。