不妊周期調節法
はじめに

最近中医学は西洋医学との結合により、治療効果を高めようという動きが活発です。 そのため中医学による不妊治療はとても理論的で、参考になります。 私は中医学と西洋医学理論の結合から生まれた不妊周期調節法を不妊相談に取り入れています。 周期調節法の基礎が作られたのは、今から50年ほど前のこと。女性の月経周期の生理的な特徴を 基本に中医学理論と西洋学理論を結合して 考案された新しい漢方の不妊治療法です。

当然その根本的な原理は4000年の歴史とも言われている漢方の理論が基礎となっており、 その基礎をさらに発展させた、計算しつくされた方法とも言えます。ですから50年の浅い 歴史にもかかわらず中国全土に急速に広まり発展してきました。 私が実践している不妊周期調節法は、南京中医薬大学付属病院(江蘇省中医院)婦人科の 老中医(名医)夏桂成教授より直接指導を受けた理論によるものです。2000年ごろより 北京中医薬大学叢宝滋教授の周期調節法の資料を基に周期調節法を実践、

2002年10月、周期調節法の大家である夏桂成教授が来日、その時の講演で深い感銘を受け、 その来日がきっかけで2003年11月南京中医薬大学付属病院で研修を受ける幸運に恵まれまし た。この後、毎年1週間、中国不妊婦人病周期調節法研修を受けるようになり、現在に至っ ています。2003年の研修から10年ほどの間に、夏老中医の著名度はますます高まり、 中国では「人間国宝」に値する存在となりました。現在では「夏先生の周期調節法」 と言えば、どこの中医薬病院の婦人科でも知らない人は無いくらいです。

不妊周期調節法とは

「陰陽とは天地の道なり、万物の綱記、変化の父母、生殺の本始、神明の府なり」。 これは漢方の古典、黄帝内経素問の大切な一節です。すべては陰陽で成り立ち、陰陽は物が つくられる道理である事を表しているところです。 周期調節法はこの陰陽理論をもとに考えられた方法です。女性には生理周期があります。 体温の低い時期の月経期、低温期、体温が変化する排卵期、体温が高い時期の高温期に 大きく分かれます。この時の生理周期の特徴は、ちょうど陰陽理論に当てはまる事に 注目されたのです。

体温の低い時期は陰、体温の高い時期は陽となり、陰から陽に変わる排卵期、陽から陰に 変わる月経期、すべてがうまく当てはまり陰陽理論で応用できます。 その考え方に基づいて漢方薬を服用すると、今までの漢方の服用方法よりさらに効果が高まる 事に気がついたのです。4000年の漢方の歴史も非常に重いものです。様々な成功と失敗の経験 則に基づいて有効である理論のみが今に継承されています。 西洋医学が発展し、体温計が登場し、基礎体温という形などで、さらに女性の生理周期が 詳しくわかるにつれ、それが陰陽変化の理論につながり、考えだされた漢方の服用方法が 周期調節法と言えます。

周期調節法と月経周期

    周期調節法は月経周期と深いつながりがあるのはお分かりいただけたでしょうか。
女性であれば月経周期に伴い体調の変化を多かれ少なかれ感じているはず。月経期には、 痛みはないにしても少し体が重かったり、排卵期ごろから便秘気味になり、高温期にちょっと 気持ちが不安定になったり・・・・
PMS症候群という言葉も最近ではよく耳にする言葉ですね。

軽い症状ならホルモンの変化に伴う当たり前の変化ですが、それが体につらい症状として現れ る場合なら、改善していく必要があります。周期調節法はその周期に伴う体の不調を、正常な 状態に導いていく方法です。その方の持って生まれた体質を基本として、月経期、低温期、排 卵期、高温期の体調と、体温の形から必要な漢方薬を選定していきます。 周期に分けて漢方薬を飲み分けるうちに、月経周期に伴う体の不調が効率的に軽減していき、

周期的に感じられていた生理痛、排卵痛、イライラ、頭痛、胸の痛み、ニキビ、肌荒れなどが なくなり、とても体が楽になっていくのが分かります。肌荒れがなくなるので、美容的にもお 勧めです。
女性は生理があるために、行動を制限されることもしばしばです。生理の不調から、精神的に 不安定になり誤解されることだってあります。周期調節法は、女性が生き生きと過ごせるため 、とても効率的にお手伝いができる素敵な方法でもあるのです。