掌蹠膿疱症
Palmoplantar pustulosis
掌蹠膿疱症について
掌蹠膿疱症は、手のひら(掌)や足の裏(蹠)に無菌性の膿胞が繰り返しできる皮膚の病気で、水泡のでき始めにはかゆみがあることが多く、膿胞化してカサブタになり剥がれます。
症状は数年に及ぶことが多く、炎症を繰り返すうちに角質が硬く、厚くなり、ひび割れて痛みを伴うこともあります。
手の平、足の裏以外にも足の甲や太もも、ひざ、ひじ、爪などに症状が出ることがあり、爪に症状が出ることも比較的に多く、爪が変形したり爪の下が厚くなったりします。
合併症として掌蹠膿疱症性骨関節炎を起こすことがあり、胸骨、肋骨、鎖骨などの関節に炎症が起き、強い痛みが起こります。
掌蹠膿疱症性骨関節炎は、首や腰、手足に起こることもあります。
掌蹠膿疱症の原因ははっきりとは解明されておらず、悪化する原因として喫煙、扁桃腺炎、歯槽膿漏などの歯周炎、副鼻腔炎などの病巣感染がある疾患、歯の治療物による金属アレルギーなどが報告されていますが、これらの原因が無い場合もあります。
ストレスや疲労などにより悪化することもあり、自己免疫が関係していることが推測されています。
掌蹠膿疱症と漢方の考え方
掌蹠膿疱症の症状は紅斑、水疱、膿疱、結痂、落屑など様々で、当薬局では、皮膚の状態に合わせて、糸練功で臓腑経絡、気血水、燥湿、陰陽虚実等を判断し漢方薬を選びます。
皮膚の状態だけでなく、全身的な体質も判断し考慮します。
糸練功については、詳しくはこちら 糸練功(しれんこう)とはのページをご覧下さい。
漢方薬は、
- 血熱を冷まし、解毒作用のある漢方薬
- 良質な血を補う漢方薬
- 瘀血を改善する漢方薬
- 臓毒を改善する漢方薬
- 免疫バランスを整える働きのある漢方薬
などの漢方薬を用いますが、それぞれに薬方はいくつかあります。
また、いくつかの要因が重なっている場合も多く、必要な漢方薬の種類と必要な服用期間を左右します。
漢方薬の働きで皮膚の状態や免疫バランスが整うことにより症状の改善に結びつくことが多く、是非お試し頂きたいと思います。
掌蹠膿疱症の当薬局の症例
掌蹠膿疱症と慢性湿疹 65歳女性
元々湿疹ができやすい体質で、半年程前からひどくなってきたという女性。
腕、首、腹部、背中に赤色の湿疹が散在しています。
すね、足の甲には赤黒い慢性化した大きな湿疹があり、ボリボリとかきむしるぐらい痒いとのこと。
さらに数か月前から手の平と足の裏に掌蹠膿疱症も発症してしまい来店されました。
見るからに痒そうで、体の湿疹と手の平の膿疱症は違う皮膚病と思われました。
体の湿疹には清熱瀉火・補血・活血の処方、掌蹠膿疱症には袪風化湿・清熱解毒の処方を別々にお飲みいただきました。
漢方薬服用後、掌蹠膿疱症は2か月程度の服用でほとんど良くなり、体の湿疹も6か月目でほぼなくなりました。
短期間で痒みが治まり、夜ぐっすり眠れるようになりました。(2018年6月ボテジャコ掲載)
詳しい改善の過程については、 掌蹠膿疱症、慢性湿疹【漢方改善例】のページをご覧下さい。
掌蹠膿疱症の当薬局症例写真
滋賀夕刊掲載記事
滋賀夕刊に掲載した掌蹠膿疱症に関する記事(改善例など)をご紹介します。
このお悩みは私たちが担当いたします
本陣薬局代表
管理薬剤師
薬剤師
ご遠方、ご来局が不可能な方でも相談対応が可能です。 ご来店できない場合のご相談について
お問い合わせは、お電話、メールにて受け付けております。
お気軽にお問合せ下さい。