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前回までのお話はこちら

体調に合わせた漢方薬の服用(続き)
  • やる気が起きないのは肝の気血不足

気持ちが憂鬱で、家事や仕事がはかどらなかったり、何かしても、違うことが気になって集中できなかったり、そんな症状に悩まされるようになったら、肝の気血が不足している状況です。オーバーワークであったり、睡眠不足の状態で症状がさらに悪化し、心の病になる可能性があるので、病気になる前に可能な限り仕事のペースにブレーキをかけ、休息をとることが大切です。睡眠を十分とり気血を補う食事をしながら、体を休めましょう

肝の気血を補う食事

クコの実 ゴマ  しめじ まつたけ オクラ  金針菜 黒きくらげ しいたけ アスパラガス 里芋 蓮根 人参アーモンド 小麦  松の実  ふぐ 紅鮭 エビ すっぽん 牡蠣 烏骨鶏 馬肉 

おすすめの漢方薬としては、肝血を補う働きの枸杞子(くこし) 熟地黄(じゅくじおう) 何首烏(かしゅう) 当帰(とうき) 白芍(びゃくしゃく)阿膠(あきょう) 桑椹(そうじん)などが入った気血を補う働きの処方です。

  • 夜中に何度も目が覚めるのは心と腎のバランスの乱れ

前回、腎の働きが弱ることでホットフラッシュのような代表的な更年期の症状が出てくるお話をしました。腎と心は働きはバランスを取りながら、働いています。腎は心のブレーキ役。腎の働きが弱ると、心の働き暴走してしまい、動悸、不眠などの症状が出てきます。

このような時は、心の暴走を抑え腎陰を補うような養生をすることが大切です。
腎陰を補う食材とともに、心に働く食事をとるようにしましょう

眠りが良くなり、心が落ち着く食べ物
棗(なつめ) 牡蠣 ゆりね 山芋 春菊 ウーロン茶 ジャスミン茶  とうもろこし

おすすめの漢方薬としては、竜眼肉(りゅうがんにく) 竜骨(りゅうこつ) 牡蛎(ぼれい)琥珀(こはく)珍珠(ちんじゅ)紫石英(しせきえい) 酸棗仁(さんそうにん)柏子仁(はくしにん)遠志(おんじ)
夜交籐(やこうとう)合歓花(ごうかんか)小麦(しょうばく)などを含む処方です。

  • いびきをかくのは老廃物をため込む痰濁タイプ

更年期を境に多くなる悩みの一つとして、いびきをかくようになることです。女性ホルモンが出なくなると、コレステロールが余るようになり、体に老廃物として蓄積するようになったり、新陳代謝が悪くなり脂肪なども多くなりがちになるなどで、いびきをかくようになるのです。このようなタイプは、「痰濁(たんだく)」といったものが体にたまっている状況で、「化痰(かたん)」という方法で改善するように心がけましょう。運動をするようにし、甘いものや、油の多い食事を控えるようにし、体に良い油をとるようにするとよいでしょう。体脂肪や、体重が多い方は、ダイエットも大切な養生です。

痰濁タイプにお勧めの食べ物

サバ、イワシなどの青魚 ネギ 緑ず きのこ(しいたけ、しめじなど) こんにゃく ハト麦 冬瓜 あさり
しじみ 海藻 ねぎ 大根 ごぼう

痰濁タイプを改善する漢方薬は、薏苡仁、白朮、蒼朮 茯苓、沢瀉、陳皮など胃腸の働きを整えながら、老廃物をきれいにする生薬や、山査子 神麹(しんぎく)などの消化を助ける生薬などを含む処方がおすすめです。

  • 頭痛、肩こりに悩まされるのは血流の悪い瘀血(おけつ)タイプ

閉経後、脂質異常に伴い動脈硬化がすすみ、血流が悪化し、心血管系の病気になりやすく、心筋梗塞や脳梗塞になる可能性が高まります。もともと血流が悪い方は、特にその危険性が高く注意が必要です。舌や唇の色が紫っぽい、肩こり、頭痛が多い、もともと生理痛がひどく、血塊や、血の色が黒っぽかった方などは血流が悪い瘀血(おけつ)タイプ。閉経後はさらに血流を良くする運動や、食養生が大切です。運動は、1週間に1回まとめて運動するより、軽い運動をちょこちょこする方が血流改善になります。1時間座りっぱなしになっていたら、1回立って歩いてみたり、足首を回したり少しずつ動かすことが効果的。またGI値の低い食生活などを心がけ、お菓子などの間食を制限し、野菜や、このタイプでも体にいい油をとるように心がけましょう。

瘀血タイプにお勧めの食べ物

玉ねぎ にら らっきょう シナモン 黒きくらげ サンマ いわし サバなどの青い背の魚
かに  桃  ウーロン茶 ローズ茶 紅茶

瘀血タイプを改善する漢方薬は、紅花 丹參(たんじん)降香(こうこう) 牡丹皮(ぼたんぴ) 桃仁(とうにん) 三稜(さんりょう) 莪蒁(がじゅつ) 田七(でんしち) 川芎(せんきゅう) 延胡索(えんごさく)などを含む処方がおすすめです。

2回に分けて、更年期を上手に乗り切る方法についてお伝えしてきました。漢方薬については生薬の名前をあげましたが、必ず専門家に相談して服用するようにしましょう。

女性ホルモンは脂肪細胞からも作られます。更年期を過ぎ徐々に症状が緩和するのは、少しずつ卵巣以外の脂肪細胞から女性ホルモンが分泌されるようになることも理由として挙げられます。漢方薬はその懸け橋となり、少しでも楽に更年期を乗り切り、次の段階に上手に進むお手伝いをするのです。できるだけ自然に、上手に歳を重ねたいものです。

チューリップの球根を掘り起こせず、今年芽が出るか心配だったのですが、石だらけの合間から元気に芽を出し始めました♪
そんなささやかなことに力をもらえる毎日です