衝立物語　６話　「嵐の中で」

９月に入り、改装も無事終わり一段落しましたが、上海からの荷物は間に合いませんでした。

パーテーションはとりあえず間に合わせのを使ったのですが、それが以外に気にいったので、荷物が来なくてもさほど気にならなくなっていました。

台風９号の風がふきだした6日の朝、おもむろに自動ドアが開き、

「荷物です、ここに置きます、あとは一人でも持てると思いますから・・・」

＼(^o^)／「イヤッホー！！衝立（ついたて）が着いたで～」

なんてアホなこと言ってる場合ではありません^_^;

喜び勇んで店の前に見に行ったときには、運送屋さんはすでにおらず、

肌色のベニア板で頑丈に作られた、まるで棺おけを薄くしたようなような大きな大きな木箱が横たわっていました。

ところでこれ、一人でほんまに運べるん？

ちょっと持ち上げようとしましたが、

「こらあかん、腰やってまうわ。」

ちょうどメーカーさんが訪店中だったので、手伝ってもらい、隅っこへ。

でもね、実はとても不安なことが一つあったのです。

名古屋港の代行業者さんは数十万から１００万円ぐらいで取引されることがあるって言ってたけど、私はオークションで１０万円もせずに落としてるのです。
たかだかネットのオークションでそんな掘出し物が、それも中国から出品されるとはどう考えてもおかしい。
ひょっとして、品物はボロボロなのか、全く違うものでも入ってるのか、本当に心配です。

確かＩＮＶＯＩＣＥにはＵＳＤ＄２８０って書いてありました。

ＵＳＤって中古か・・・・、ウーン・・・不安はふくらむばかり・・・

夜になり、閉店後、いよいよ開封です。

といっても簡単なことではなく、木箱は20本ぐらいのごっつい釘で打ちつけられています。

クギヌキ、金づちで一本ずつ、トンカチトンカチ、グイグイッ・・・

台風の風とともに大粒の雨も落ちてきました。

あまり遅くなっては商品が濡れてしまいます。

思いがけない嵐の中での作業になりました。

ピッチアップ　ピッチアップ！！

トンカチトンカチ、グイグイッ・・・

20分ぐらいかかったでしょうか。

いよいよご対面です。