この記事は約 5 分で読めます。
先週末、加工食品ジャーナリストの中戸川貢先生に『現代の食事はミネラル不足~新型栄養失調~』というテーマでご講義いただきました。
私自身、無添加や無農薬にこだわることはあっても、ミネラルに注目したことはありませんでしたので、目から鱗で非常にためになる情報ばかりでした。
カロリーが足りているのにタンパク質やミネラルなどが不足している状態を「新型栄養失調」と表現するそうです。
特に最近はミネラル不足による新型栄養失調が問題になっているとのこと。ミネラルは体の様々なところで働いているため、ミネラル不足は多種多様な健康被害に繋がります。
特に身近なことだと脳の働きの乱れです。ミネラル不足がイライラや精神不安、落ち着きの無さに繋がることはよく知られています。
精神を安定させる生薬といえば“牡蛎”や“竜骨”などがその代表格ですが、それもいわばミネラルの塊です。うっかりミスや凡ミスにも、ミネラル不足が関係します。
そんなミネラルが、現代の食事では不足しやすいとのことです。
中戸川先生にご講義いただいた内容を少しご紹介します(*^ ^*)
1.外食が増えた
コンビニやスーパーで売られているお弁当は、丁寧に洗浄・殺菌されているためミネラルが流れてしまっているそうです。バランスが良さそうなレストランの豪華ランチや社員食堂の定食も、意外とミネラルが不足しています。
実際に3食外食した時のミネラル(カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅など)摂取量を測ったら国が定める必要量の半分に達しなかったというデータを見せていただき、とても驚きました。
- おやつに焼きめざしやミックスナッツ、アーモンドなどミネラルが豊富なものを食べる
- ミネラルが豊富ないわしや雑穀などの薄味のふりかけをたっぷりかける
- イタリアンは外食でもミネラルが抜けにくい
2.水煮野菜やカット野菜が増えた
水煮野菜材は、茹でる時にミネラルがゆで汁に抜け出しますが、ゆで汁はそのまま捨てられてしまうためミネラルが不足します。カット野菜も、洗浄中にカットされた切り口からミネラルが抜けています。お店でもこの水煮野菜やカット野菜を使っているところが多いようです。
売られているカット野菜が黒ずまず色鮮やかなままなのは、ミネラルが抜けていて酸化しないからとのこと。なるほど…納得です。
- 自分で切って調理をする
- ゆで汁も料理に使うか、煮詰めたり、蒸したりする料理に
- なるべく大きくカットされている野菜を買う
- 黒ずんでいるのはミネラルが抜けていない証拠!黒ずんだ部分だけカットして食べる
3.精製食品が増えた
精製食品、特に油などはミネラルがわざと抜かれていることが多いです。こうすることで、酸化しにくく、日光に強く、沈殿せず、臭くなりにくく、脂っこくない扱いやすい油となります。
実際にミネラルが抜かれていない油は遮光ボトルで保管する必要があったり、沈殿しやすかったり、揚げ物をしたときにすぐに茶色くなりやすく、扱いにくいです。ですが、ミネラルは油を分解するために必要なので、ミネラルが抜けていない油の方が胃もたれや胸やけをしにくいとのことです。
- サラダ油はすべて精製油
- オリーブオイルは有色瓶のものや、“コールドプレス製法”のものを選ぶ
- ごま油は“圧縮製法”のものを選ぶ
- なたね油は“一番しぼり”のものを選ぶ
4.純粋が増えた
この頃よく「純粋仕立て」と書かれた飲料水が売っているようです。純粋はミネラルが取り除かれたもので、お茶っぱや出汁が出やすく口当たりもよいのですが、ミネラルはすっかり抜かれています。ハイボールも純粋を使うととても美味しくできるため、大抵は純粋で作っているのだとか。
炭酸水も純粋で作られた口当たりの良いものがあります。私も、夫が普段飲んでいる炭酸水を確認してみたら見事に「純粋仕立て」のものでした^^;
時々聞く“RO水”もミネラルが抜かれたものです。
- 天然水を選ぶ
- 「純粋仕立て」の飲み物を避ける
- 炭酸水は、天然水に炭酸ガスを足した“天然水炭酸水”や、天然の炭酸水である“天然炭酸水”を選ぶ
- 家庭のお茶は純粋ではなく、天然水や水道水で作る
5.添加物をよく摂る
添加物としてよく使われるピコリン酸ナトリウムやメタリン酸ナトリウム、Ph調整剤、ゲル化剤、樹脂剤、イーストフード…これらのリン酸塩は、腸内でミネラルとくっつくことによって吸収を阻害します。せっかくバランスを意識して食事をしても、添加物を摂っているとミネラルが吸収できずに不足してしまうとのこと。これは大きな問題です。
- なるべく無添加のものを選ぶ
- 添加物を摂った時は、雑穀米や焼きめざし、アーモンド、ミックスナッツ、焼きのりなどミネラル豊富なものをしっかり摂る
- シリアルは雑穀が入っているものを選ぶ
いかがでしたか?
食事を手作りしていたら、ミネラルはそう不足することがないようです。
ただ、忙しい現代人。外食や便利食材が増えた影響でミネラル不足が問題になりつつあります。
どうしても手作りできない場合は、今回ご紹介したポイントを意識して工夫をしてみてください。
また、和食の基本「まごわやさしい(豆類・ごまなどナッツ類・わかめなど海藻類・野菜・魚・しいたけなどきのこ類・いも類)」はミネラル豊富な食事ですので、これらの食材を摂れる時に意識して摂っておくのも大切とのことでした。
「あなたはあなたの食べたものでできている」
毎日の食事を見直すとても良いきっかけになりました(*^ ^*)