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  1. 東京の新型コロナは厳しい状況が続く中
    関西でも増えつつあり
    不妊治療に通われている方から
    不安の声が上がり始めています
    私は冷静に様子を見ていきたいと思っていますが・・・・・

前回のブログの内容はこちらを参考になさって下さい

今回は

4.精子の状況を良好に保つこと

以上について
お話させていただきます

この時期の妊活で、大切な5つのこと

卵子の老化を防ぐ(リンク先参照)

子宮環境をよくすること(リンク先参照)

ホルモンバランスを整えること(リンク先参照)

精子の状況を良好に保つこと

精子は卵子と違い、精巣の中で日々新しく作られます。
また、女性の卵巣年齢に比べて、年齢のボーダーラインが遅く
50歳以上でも妊娠可能です。
ただ、NHKクローズアップ現代で、男性にタイムリミットがあることや、ここ40年程の男性の精子数が半減していることなど紹介されたことから、男性の妊娠力の危うさについて問題になってきています。とてもわかりやすくまとめられているので、ぜひ参考になさって下さい。

精子は、受精卵の遺伝因子として半分の役割りがあります。
受精の鍵としての役目であったり、
受精後、分割し胚盤胞になるまでの力に大きく関係したり、
着床するときの鍵の働きをしたり・・・・
その働きを十分発揮できるかは、濃度運動率奇経率だけでは判断できません

コロナ禍の中、様々な状況にも負けない精子力をつけることが
とても大切です。
精巣で精子が出来るまで3ヶ月の月日が必要です
東洋医学で体質を改善するのに必要な月日と合わせると
精子力を改善するのに半年以上、場合によったら1年必要であることもあります。

漢方薬で精子の状況が改善することは、
男性不妊専門病院でも認知されており、
精子の状況が思わしくない場合、良く漢方薬が処方されています。
中には、良い結果が得られることもあるでしょう。
残念なことは、東洋医学の基本的な考え方である
「体質に合わせて漢方処方を選定する」場合が少ないのではないかと思います。
また、最も効果のある「動物生薬が使えない」ということです。

男性の妊娠力を考える上で私がいつも念頭に置いている点を
下記に記しました

男性の妊娠力について確認すること
1.血液の流れについて 2.腎精の力 3.睡眠について
4.炎症があるかどうか 5.胃腸の働きについて
6.ストレスについて 7.老廃物が蓄積しているかどうか
8.たばこ、飲酒、甘いものの飲食のレベル
9.体重について

上記の9項目を基本として
体質のチェックをさせていただき
漢方薬を考えていきます。
睡眠、飲食の養生、たばこ、飲酒、体重のコントロールは、
すぐに実行できない場合もあり、実行してから結果につながるまで
月日を要しますから
今の時期こそ、頑張る時だと思います。

つい先日ですが
二人目不妊の方で
女性の方のみの漢方薬フォローだったのですが
病因との治療の併用で1年近く結果が得られないため、
最後のチャンスにと、
ご主人にも漢方薬を服用していただくようにしました。
4か月たったところで、
自然妊娠をされるという思わぬ結果につながりました。

コロナ禍の状況下ですから、
手放しに喜べないとはいえ、
妊娠は二人の力があってこそと
大切なことを再確認させていただきました。

1.血液の流れと精子力

血液は、大切な体の栄養です。血液が流れなくなってしまうと、すべての働きは損なわれて、生きる力を失います。精子力も血液によって保たれていますから、血液の流れが悪くなると、数、運動率、奇経率すべての状況が悪化してしまいます。
デスクワーク、長距離運転、喫煙などは、血流を悪化させてしまいますので、精子力が弱る原因になると言われています。コロナ禍によって、在宅勤務が増え、体を動かす機会が減り、血流が悪くなっている場合も想定されます。適度な運動や、座りっぱなしを減らす工夫が必要です。すでに肩こり、頭痛、腰痛などの症状がある方は、症状を改善することが、妊活のポイントになります。喫煙に関しては理想は禁煙ですが、まずは本数を減らす工夫をしましょう。禁煙できない場合は、喫煙による血流の悪化を改善する工夫として、抗酸化の食事を積極的に取ることが大切です。漢方薬としては血流を良くする活血薬を使い、精子力を高めるようにします。

血流を良くする食事

いわし、サンマ、サバなどの青魚 ブロッコリースプラウド、ナッツ類
ネギ類 緑黄色野菜 トマトなどのポリフェノールを含む抗酸化食材
ビタミンEを含む、かぼちゃ、アスパラガスなど」

血流を良くする漢方薬・健康食品ストが入ります。

冠元顆粒 血府逐瘀丸 田七人参 サージ油製剤 水蛭製剤

2.腎精の力と精子力

「腎精」は、東洋医学の五臓の働きにおいての考え方で、腎の力を表す言葉であり、生命力、生殖能力などを表す言葉でもあり、精子力に深く関係します。
腎の力について、前回は「卵子の老化を予防する重要な働きをするというお話について書かせていただきましたが、精子でもやはり同じことが言えます。腎を補い、腎精を養うことにより、精子力を強くする考え方は、男性の妊活において最も重要なことです。腎を補う食事や、生活養生については、前回のブログを参考になさって下さい。

精子と卵子の大きな違いは、精子は陽卵子は陰ということです。
男性の体温は女性よりも高く、男性が冷え症であることは、女性がそうであるよりも問題になります。男性の精子力を高める漢方生薬は、腎陽を補う力が何よりも大きい動物生薬がよくつかわれますが、体質や、体調によっては逆効果になりますので注意が必要です。
これらの生薬を含む漢方薬を服用する場合は、必ず知識を持った専門家に相談することが大切です。

腎陽を補う生薬

動物生薬:鹿茸 鹿角 鹿腎 海馬 蛤介(ごうかい)
植物生薬:淫羊角 補骨脂 肉蓯蓉 杜仲

腎精は食事や生活養生でも養われます。

腎精を補う食事
牡蠣、シジミ、アサリなどの貝類 わかめ、もずくなど海藻類、
黒豆、黒ごま、黒きくらげなど色の黒いもの
納豆、オクラ、山芋などの粘々食品

3.睡眠と精子力

睡眠に関しては、女性の妊娠力と同じです。精子が作られるための成長ホルモンや、男性ホルモンは、ほとんどが寝ている間に分泌されます。睡眠のリズムが不規則であったり、睡眠時間が不足すると精子力に影響します。交代勤務によって、睡眠のリズムが乱れていると、徐々に影響が出ててくるため、注意が必要です。

好ましい睡眠

1.7時間ほどの睡眠
2.寝る直前のスマホやパソコン作業を避ける
3.夜11時までに寝るようにする
4.お酒を控える(眠りが浅くなります)

4.炎症の有無と精子力

精子は高い温度に弱いことは、認知されるようになってきました。できるだけ、理想的な温度環境を保つことも精子力を良好に保つことにつながります。大敵なのは、精巣に炎症があると、熱が上がり、精子力に悪影響です。かゆみや赤みがある、精液が白濁、また黄色みがあって粘性が高い場合は要注意です。早めに治療をしましょう。

炎症を抑える漢方薬、生薬

瀉火利湿顆粒 竜胆瀉肝湯 黄連解毒湯 五味消毒飲
白花蛇舌草 五行草

上記漢方薬や生薬は使い方によってとても優れた効き目がありますが、体を冷やす働きがあるため、場合によって精子力にとって逆効果になることもあります。必ず専門家のアドバイスのもと、服用されることが大切です。

5.胃腸の働きと精子力

「腎は先天の精」、「脾は後天の精」という言葉は、東洋医学ではとても基本的な考え方です。生まれ持った生命力が、先天の精、、脾胃によって後から作られる生命力が後天の精で、どちらも精子力に大きく影響します。つまり先天の精である「腎精」に対し、「後天の精」である、脾胃の力もまた精子力に大きく影響します。胃腸が弱く常に軟便、下痢が多い場合や、胃痛に悩まされることが多い場合は、胃腸が強くなることが大切です。ここで気を付けなければいけないのは、一般的な胃薬の中には、精子の成長を抑制する働きがあるものがあることです。

精子力に影響を与える胃腸薬

プロトンポンプ阻害薬:オメプラール、 オメプラゾン、タケプロン、パリエット、ネキシウム、タケキャブ
H2ブロッカー:シメチジン(タガメット)

後天の精である胃腸の働きを整えることは、精子力にとってとても大切です。遅い時間の食事、暴飲暴食、冷たいものの飲食などを避けさけ、腹八分、よくかんで食べることなど、胃腸に優しい食生活をすることを続けることは意外に大きい影響が出てきます。胃腸の働きが弱い方や、食養生に自信のない方は漢方薬の服用で胃腸の働きを整えることも可能です。胃腸を元気にする漢方薬は、様々な種類があり、こちらのコーナーでは複雑になるため、紹介を控えさせていただきます。

6.ストレスと精子力

ストレスが精子の形成に悪影響を与えることは誰もが知ることだと思います。そしてまた、自律神経失調症の際に服用する、向精神薬も精子形成のマイナス因子になります

精子力に影響を与える向精神薬

モノアミンオキシダーゼ阻害薬 三環系 フェノチアジン系 ベンゾジアゼピン系

上記向精神薬を服用されている方は、時間をかけて漢方薬に置き換えていくこともおすすめです。自律神経失調症の改善は東洋医学の得意とするところです。症状が軽いうちに漢方薬の服用を考えてみましょう。
ストレスと精子力に関しては、女性と共通する点ですから、私がおすすめしているのは「呼吸法」です。
ブログでも紹介させていただいているので、参考になさって下さい

6.喫煙、飲酒、甘いものの飲食と精子力

喫煙、飲酒などによって精子力が損なわれることは、すでに認知されています。喫煙は、精子の数や運動性を低下させます。また 骨盤動脈の動脈硬化により、EDになるリスクが高まります。飲酒に関して直接の影響についてわからないことも多いのですが、休肝日を作り、アルコールとして20グラム、1日ビール500ml、お酒1合を超えない量の飲酒が推奨されています。甘いものの飲食について、糖タンパク(AGE)が増える原因になるため、精子の質を悪化させる可能性があります。喫煙、飲酒、甘いものの飲食は、精子力が高い方にとって、それほど大きな障害にならないこともありますが、精子力が弱い方には大きく影響する可能性があるため、初めに気を付ける項目です。またカフェインの取りすぎも精子力に影響をするといわれていますので、コーヒー1日カップ2杯程度にできるとよいでしょう。

今回詳しく触れませんが肥満もまた精子力に悪い影響を与えます。適度なダイエットによって、良好な結果につながることもあるため、バランスのとれた食事のもと、適度なダイエットもおすすめです。

7.まとめ

今回は、今妊活で大切なこととして、精子力についてお話させていただきました。元気な精子によっても、お二人の妊娠力は高まります。精子ができるまでは3か月かかりますので、今のこの時期に、血流をよくするために運動をしたり、睡眠をしっかり取り、喫煙、飲酒、カフェイン、甘いものの飲食など見直し、「腎精」を高める生活養生を心がける良い機会になるかもしれないと思います。そしてそのこと自体が、これから先授かるお子さまの体質を強くすることができるかもしれません。

今回のこの記事を書き始めてから、思ったよりも日にちが過ぎてしまいました。

書き始めたころは、まだ東京のコロナの患者数は2桁の前半だったのですが、最近は常に3桁の数字です。どうかこのまま落ち着いて行きますように。安心して妊活ができる毎日が過ごせますように・・・・・