滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2018年2月分をご紹介いたします。

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今月は、第194回『花粉症の漢方薬~対症療法から体質改善まで~』です。

-以下、記事本文-

この季節になると、花粉症が酷かった中学時代、学校にティッシュボックスを持参したことを思い出します。
私に限らず、ポケットタイプでは間に合わずボックスを持ち歩いたことがある方は少なくないでしょう。

花粉症の鼻水に「小青竜湯」がよく使われます。
透明でズルズルの鼻水に効く場合が多く、ドラッグストアにも必ず置かれています。
小青竜湯は良い漢方薬ですが、乾燥性のある生薬が含まれているため、体が乾燥しやすい方や、症状が続く方には注意が必要です。

東洋医学では、粘膜や体表面のバリア機構を 「衛気(えき)」と言い、花粉症にもこの衛気が関係します。
毎年、花粉症に悩まされるという方は、衛気が弱いと考えられ、衛気を元気にする「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」がおすすめです。
花粉症のために服用される方はもちろん、他の理由で服用されていて、今年は花粉症にならなかったと驚かれる方が多くいらっしゃいます。私もこれで花粉症を克服した一人です。

花粉症のもう一つのお悩みに「目のかゆみ」があります。
これは、著しく集中力を欠くため、仕事や勉強の大きな邪魔になる辛い症状です。

これには「心沙棘(しんさーじ)」を良く使います。
かゆみを感じてから服用しても間に合うので、「目を取り出して洗いたいくらい」のかゆみでお悩みだったNさんも、大変喜んでいらっしゃいました。

漢方薬には、「長くゆっくり」だけでなく、色々な効き方をするものがあります。
少しずつ暖かい日がやってくる今日この頃、花粉に邪魔されず、春のお出かけを楽しめたらいいですね。

滋賀夕刊掲載【第194回】漢方薬のおはなし