滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2018年6月分をご紹介いたします。
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今月は、第198回『女性の悩みと漢方④~生理が月に二度も来る…~』です。
-以下、記事本文-
女性にとって、月に一度の大仕事といえば、『月経』ではないでしょうか。
大半の方は、月経中はもちろん前後の期間も、数々の憂鬱な症状に悩まされると思います。
それが月に二度もとなると、その大変さは想像するに余りあります。
月経が月に二度以上来ることは大変なだけではありません。
その背景には、必ず体の弱りがあり、卵子がきちんと成熟しないまま排卵されてしまったり、排卵すらされていなかったりといった問題があります。
十代後半のTさんは、月経周期が18日程度と短いことでお悩みでした。
月経中、また前後の症状も重く、周期が短いので、元気で体調の良い日が月に2~3日しかありません。
ずいぶん痩せていて、基礎体温を見ると一相性で、排卵もないと思われました。
Tさんには気血を補う生薬を中心に、体を元気にする漢方薬をお飲み頂きました。
2ヶ月ほどで周期が24日に伸び、月経の症状も軽くなり、次の課題は排卵を起こすことです。
三十代のNさんは、結婚を控え、体調を整えたいと来店されました。
月経の症状は、少しイライラするくらいでしたが、周期が25日と短いことでお悩みでした。
Nさんは仕事が大変忙しく、ストレスによる疲れが見受けられたため、血液を補う漢方薬に、気の巡りを良くしてストレスを緩和する漢方薬をお飲み頂きました。
3ヵ月ほどで月経周期が28~30日になり、ガタガタだった基礎体温も落ち着き、今月ご結婚とのことです。
月経の異常は、妊娠力低下の赤信号です。
その信号を無視せず、できるだけ早く対処することが女性らしく幸せに生きられるかどうかにつながります。