滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2019年2月分をご紹介いたします。

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今月は、第206回『基礎体温と子宝漢方~基礎体温から対策を練る~』です。

-以下、記事本文-

「基礎体温がガタガタで、ネットで調べた情報と全然違って…。」子宝相談をしていると、このような悩みをよく聞きます。

人間が生きる上で最低限のエネルギーしか使っていない時の体温を基礎体温と言います。
女性は、月経1日目から排卵までと、排卵から次の月経が来るまでで、基礎体温に差があります。
前者は36.2~36.3℃で低温期と呼び、後者は36.7~36.8℃で高温期と呼びます。

そして、この基礎体温の状態から、卵胞の発育に問題はないかどうか、排卵したかどうか、妊娠の継続に必要なホルモンがしっかり分泌されているかどうかなど、様々な情報を読み取ることができます。

よく見かける基礎体温は体温の上下が激しくガタガタしているタイプです。
このタイプは、気の巡りを良くしストレスを和らげる漢方薬を服用すると、ガタガタが徐々にきれいになり妊娠しやすくなります。

低温期がだらだら長い方は、卵胞が発育するエネルギーである“気”や卵胞に栄養を与える“血”の不足や、その巡りの悪さが考えられ、それらを改善する漢方薬を服用することが大切です。

体温が上がらず一相性の場合は無排卵が疑われ、様々なホルモンバランスの乱れを改善する漢方薬を服用し、排卵を目指します。他にも体温が全体的に高い方、全体的に低い方など、体温の形から妊娠力の邪魔になっている原因を予測し、漢方薬を服用することが子宝漢方の基本です。

基礎体温から得られる情報と東洋医学理論の関係は鍵と鍵穴。
うまく合わせる事で妊娠への道につながります。

滋賀夕刊掲載【第206回】漢方薬のおはなし