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滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2020年4月分をご紹介いたします。

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今月は、第220回『子宝の悩みと周期調節法㉔~体外受精を繰り返しても~』です。

-以下、記事本文-

「この1年、体外受精を繰り返してきましたが、妊娠できなくて・・・」不安な様子で、お話を始めた40歳のHさん。
体調についてお尋ねすると、最近は眠りが浅く、夜何回も目が覚めてしまい、朝までぐっすり眠れないとのこと。日中は生あくびが出て、疲れが取れないようです。

またこの頃は排卵期の伸びるオリモノが良く分からないようです。
繰り返し体外受精で結果を得られないとき、焦りと不安な気持ちで、気持ちが休まらず、「脳疲労」の状況に至り、睡眠の質が低下します。卵の成長や、着床に必要なホルモンは深い眠りに至ったとき分泌されるため、卵の成長に影響を及ぼし、オリモノの減少につながり、妊娠から遠ざかる悪循環になってしまいます。

東洋医学では脳は「心」の働き、生殖系は「腎」の働きであり、「心」と「腎」のバランスを大切に考えます。
Hさんには心と腎のバランスを整える柏子仁、遠志、酸棗仁などを含む漢方薬を中心に、睡眠の改善から始めました。
また、着床障害も考え、子宮環境改善のため、血を補い血流を改善する丹参、当帰を含む漢方薬もお勧めし、まずは体調が整うまで治療を休むことを提案しました。悪循環に陥っているときは、3か月以上の養生が非常に大切です。

服用後、徐々に眠れるようになり、排卵期のオリモノも、見られるようになり、表情も穏やかになってこられました。

数か月後治療を再開、2回目の体外受精で妊娠、元気な男の子を授かられました。

滋賀夕刊掲載【第220回】漢方薬のおはなし