滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2020年6月分をご紹介いたします。

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今月は、第222回『生理痛、無いのが当たり前③~倒れるほどの酷い生理痛~』です。

-以下、記事本文-

 現代の女性が一生で経験する生理(月経)の回数は約500回と言われています。1回約5日間として、時間にすると約6.8年、とっても長いですね。月経期間中も元気に過ごせれば良いのですが、現実はそうではありません。

ストレス過多の現代社会、女性の体にかかる負担は大きく、その負担は毎月の月経とその周辺のお悩みとして現れます。月経期間中も普段と変わらない体調で過ごせる方は稀でしょう。
それでも、日々の漢方相談の中で、「今回は月経前の不快感が無かった。」や「今回は月経前の不快感が無かった」や「今回は痛み止めが要らなかった」というお話を何度も聞いてきました。

中学生のSさんは、初潮が来てすぐに毎月の痛みに悩まされるようになりました。痛みはとても酷く、始まると保健室から出られず、部活で倒れて運ばれたこともあるくらいです。
お話を伺ったところ、人間関係でかなり気を使ってストレスを感じているとのこと。その他にも、冷えにより血の巡りが悪くなっていることも見受けられました。

Sさんには、気の巡りを整えるものと体を温めて血流を良くするものをベースに、初潮が来てから間もなかったので、月経周期を整える「調経(ちょうけい)」の漢方薬を服用していただきました。
3ヶ月ほどで痛みは無くなり、現在は、血の巡りを良くする漢方薬を続けています。

体にかかる負担を全て無くすのは不可能かもしれません。でも、それで傷つく体をきちんとケアすることが、難しい社会を元気に生きていくカギとなるのでしょう。

滋賀夕刊掲載【第222回】漢方薬のおはなし