この記事は約 2 分で読めます。

滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2020年12月分をご紹介いたします。

 バックナンバーはこちら(お悩みの症状に関連する記事を検索していただけます。)

今月は、第228回『子宝の悩みと周期調節法㉖~冬の養生は妊活の要~』です。

-以下、記事本文-

冬至が過ぎ、あたりはすっかり冬の装いに包まれ、寒さで身が引き締まります。
多くの生き物は冬眠し、植物は、葉を枯らし、地面の下の根は滋養を蓄え、春の準備をしながら静かに待ちます。

実はこの時期の養生が、妊活の要と東洋医学では考えます。激しい運動、無理なダイエット、過労、ストレスは少なくなるよう、心穏やかに過ごすことが大切です。

冬は「腎」の季節。生殖の働き、成長、発育をつかさどる臓器です。
腎を補う働きのある、オクラ、納豆、山芋などの粘り気のある食材や、黒豆、黒ゴマなど色の黒いもの、卵、果実、種など次の生命を生み出すものを食べるようにしましょう。

生薬においては、鹿茸(ろくじょう)、亀板(きばん)、紫河車(しかしゃ)などの動物生薬、地黄(じおう)、巴戟天(はげきてん)、続断(ぞくだん)などの植物生薬などを含む漢方薬を、陰と陽の調和を考え服用するように考えます。

妊活8年目の39歳のHさん。全体的に体温が低く、不安定で、高温期がよくわかりません。
翌年5月の体外受精を最後と決め、11月から鹿茸、亀板、紫河車を中心とした漢方薬を服用しました。

春になるころ高温期がしっかり確認できるようになり、5月体外受精に挑戦。妊娠、出産の願いがかないました。

5月に咲くチューリップのように、冬の滋養と養生が願いにつながった心に残る出来事でした。

滋賀夕刊掲載【第226回】漢方薬のおはなし