滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2021年2月分をご紹介いたします。
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今月は、第230回『更年期の悩み~症状に合った漢方薬で快適に~』です。
-以下、記事本文-
汗ばむほどの陽気を感じたかと思えば、冷たい風が吹く日もあり毎日の気候の変動で体も疲れがちです。
このような季節に多いのが更年期症状のお悩みです。
更年期症状で悩まされるのは、急に体が熱くなる、ちょっとしたことでもすぐイライラする、寝つきが悪くすぐ目が覚めるなどの不快な症状です。
これらの症状は、卵巣の働きが低下し、女性ホルモンの働き弱まると同時に、自律神経の働きが乱れることが主な原因です。
このようなつらい更年期の症状も年齢とともに徐々に改善されます。
これは卵巣に変わって肥満細胞から出るホルモンから女性ホルモンが作られ橋渡しされるからなのですが、この橋渡しがうまくいかない場合は症状が長引いたり、我慢できないほどの症状に悩まされたりするのです。
東洋医学では、この女性ホルモンの橋渡しの力は「腎」の力と考え、腎を補う地黄、亀板、女貞子(じょていし)、旱蓮草(かんれんそう)などを使います。
また、イライラ、睡眠障害、ホットフラッシュに効果のある漢方薬は多数あり、体質にあった漢方薬を服用することは体の不調を整え、循環器障や、精神疾患の予防にもつながります。
「未病を治す」とは病になる前に不調を見つけ体調を整えることにより、大病になることを防ぐという東洋医学の大切な考え方ですが、更年期の症状をきっかけに、体の弱いところを見つけ、自然治癒力を助ける方法で大きな病につながらないようにするのも「未病を治す」ことだと思います。