滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2021年4月分をご紹介いたします。

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今月は、第232回『子宝の悩みと周期調節法㉗~卵の老化と腎の力~』です。

-以下、記事本文-

「35歳以上が自然妊娠できる力は“20代の半分”(本文より)」
河合蘭著『卵子老化の真実』は、このように厳しい内容もありますが、高齢で妊娠出産することに関し、現実をしっかり受け止めつつ自信を持って臨める気構えができる本でもあります。

小杉好紀著『卵子はよみがえる』もまた、高齢で妊活を考えている女性を応援する内容であり、卵子の老化を防ぎ、卵子がよみがえるための考え方について共感できるところが多々あります。

東洋医学では、腎が老化を司るという考えのもとに、漢方薬を選定します。
実は西洋医学でも腎臓にある「クロトー遺伝子」が老化を抑制する大切な働きをしており、腎臓の働きが弱くなるとクロトー遺伝子の働きが弱まり老化が加速することがわかっています。腎の力を応援することで、老化を防ぐ考え方との大きな共通点と言えます。

44歳のSさんは人工授精を数回しても妊娠できないため来店され、腎を補う地黄製剤を中心に周期調節法で漢方薬を服用しました。心が穏やかになってきたころ半年後に妊娠、元気な女の子を授かりました。

39歳のKさんは体外受精を繰り返し、胚盤胞での凍結ができなくなったため知人の勧めで来店され、排卵時の牽糸性のおりものが見られ、高温期が12日以上続くようになるまで7か月ほど、腎を補う亀板製剤を中心に周期調節法で漢方薬を服用し、体外受精に再度挑戦、良好な胚盤胞を得られ、元気な男の子を授かりました。

滋賀夕刊掲載【第232回】漢方薬のおはなし