滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2021年8月分をご紹介いたします。

 バックナンバーはこちら(お悩みの症状に関連する記事を検索していただけます。)

今月は、第236回『更年期の悩み~つらいホットフラッシュ~』です。

-以下、記事本文-

「急に体が熱くなって、それがつらいし、眠れない」そう話す53歳のYさん。
閉経直前から少しずつ症状が出始め、閉経してからは特に症状が辛くなって来たようでした。
ついイライラしてしまうことも多く眠れないのが辛いとのこと。
少しでも楽に過ごせるならと相談に来られました。

閉経後女性ホルモンが急激に減少すると、自律神経の働きが乱れ、体温を調節する様々な働きが正常に動かなくなるため、このような症状に悩まされることも多くなります。
これは自律神経が安定するまで続きますが、体質や環境によって症状や期間は個人差があり、中には生活に支障が出るほどの状況に至ることもあります。

東洋医学では、自律神経の働きを調節する力は「肝の疏泄を司る」力であり、ホルモンにかかわる生殖の働きは「腎の成長発育を司る」力、「老化を防ぐ」力ですから、これらの働きを調節したり、助けたりしながら不快な症状を改善していきます。

Yさんは、生地黄を含む腎の陰を補いほてりを鎮める漢方薬を基本として、黄連、阿膠、酸棗仁、柏子仁などの生薬を含む漢方薬で体の余分な熱をとり、睡眠を改善することから始めたところ、夜目が覚めなくなり、朝まで眠れるようになりました。

まだホットフラッシュがあったので、亀板、鼈甲を含む漢方薬と、生地黄を含む漢方薬で腎陰を補いながら、柴胡、牡丹皮、山梔子などを含む漢方薬で、肝の疏泄の力を取り戻すように考えたところ、その1ヵ月後「疲れにくくなった」と喜ばれ、その後少しずつホットフラッシュも改善していきました。

「自然な力で楽になったのが嬉しい」明るい笑顔でそうお伝えいただいたのが印象的でした。

滋賀夕刊掲載【第236回】漢方薬のおはなし