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滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2022年1月分をご紹介いたします。

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今月は、第241回『やっかいな耳鳴り・・・~セミの鳴き声?~』です。

-以下、記事本文-

なかなか寝つけず、眠るまで2時間ぐらいかかる事があると言われるTさん。
大きな原因はジージー、キーンというセミの鳴くような耳鳴りです。ウアンウアンと鳴る事もあります。
耳鳴りが気になってから7年以上になり、精神的にも負担がかかり、食欲も減り体重も落ちてきてしまいました。

耳鳴りは気にしない様にしようとすると余計に気になってしまうため、音が小さいうちは良いのですが、大きくなってくると厄介です。
漢方の古典「黄帝内経霊枢」には「腎気は耳に通じ、腎和すればよく五音を聞く」と書かれ、加齢や病気による腎精の消耗により、耳を養うことが出来ず、耳鳴りや難聴を引き起こすという考え方をします。
年配のTさんはこの加齢からくる腎虚がベースにあると思われ、補腎作用のある漢方薬と、症状の長引きからくる自律神経のアンバランスを整える働きのある漢方薬を選びました。
服用後の経過は順調で耳鳴りがあまり気にならなくなり、夜も良く寝られるようになりました。

また耳鳴りには精神的ストレスがきっかけとなるものもあります。
過度のストレスを受けることにより、精神作用と関係が深い肝や、耳と関係が深い胆経の経絡の気血の流れが乱れ、耳鳴りが起きるいう考え方です。
このタイプの耳鳴りには肝胆系の作用する漢方薬を用いて阻害された気血の流れを整えることで改善に導きます。

耳鳴りは原因となる疾患がわからない場合も多く、歳だから…とか、もう慣れた…とあきらめる事がありますが、漢方医学も捨てたものではありません。

滋賀夕刊掲載【第241回】漢方薬のおはなし