滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2022年2月分をご紹介いたします。

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今月は、第242回『更年期の悩み…~症状に合わせて、楽々と~』です。

-以下、記事本文-

例年より多く降った雪も、合間にのぞく陽の光に、春の気配を感じます。
この時期に多いのがころころ変わる気候についていけなくなる、更年期の不快感です。
ぐるぐるめまいを感じたり、かっかとほてりがひどくなったり、イライラや、憂鬱な気持ち、不安な気持ち、様々な症状が現れやすくなります。

更年期に表れるこのような症状は、一人一人によって違い、症状に合わせた漢方薬を服用することがポイントです。
腎の潤い不足が原因で、ほてったり乾燥したりするタイプ、腎の温める力の不足が原因で、手足が冷え、むくんだり、体がだるくなるタイプ、気血の流れが悪くちょっとしたことでいらいらしたり、泣けたり、不安で眠れなくなったりするタイプなど、主に3つのタイプに分かれます。

Kさんは、閉経後特に手足の冷えが気になり、むくみや、気候の変化による体調不良と、体のだるさで、いろいろ億劫になっていました。
腎と、脾の陽気を助ける漢方薬と、血液の流れを良くする漢方薬を服用したところ、徐々にむくみが改善し、冷えが気にならなくなり、気持ちが明るく、家事がはかどるようになりました。

Yさんは、閉経後、ホットフラッシュと不眠、頭痛、肩こりに悩まされる腎の潤い不足タイプで、腎の陰を補い、肝の熱を冷ます漢方薬を服用したところ、ホットフラッシュ、頭痛、肩こりが楽になり、寝つきが改善するとともに朝まで眠れる日が増え、笑顔が増えました。

つらい更年期を上手に乗り越えられたら、生き生きとした第2の人生の始まりです。

滋賀夕刊掲載【第242回】漢方薬のおはなし