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滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2022年3月分をご紹介いたします。

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今月は、第243回『不安、緊張、ふるえ、不眠…~春はのびのびと~』です。

-以下、記事本文-

「春は発陳、すべてのものが生き生きと発生し、つらなって繁栄しようと動き始める。夜更かしせず、早寝早起、緩やかに散歩をする。
冠(かぶり物)をかぶらず、急激な労働をせず、冬の間にしまっていた志を起こし、万事のびのびさせておく…」

「春の養生に逆らった生活をすると肝の働きが伸びださずに陽気が閉じこもってしまう…」

春の養生として、紀元前二百年位に編纂された中国最古の医学書「黄帝内経」に書かれています。
漢方医学や鍼灸の源となる書物で、人が健康で、その寿命を全うするための方法が説かれていますが、二千年以上経った現代でもその内容は全く色褪せるものではありません。

元来生真面目でどんな事にも手を抜かず、普段から身体を酷使されることが多いⅮさん。
コロナへの対処、今冬の大雪、仕事上の人間関係などから極度の不安感に襲われるようになり、緊張からの手のふるえや動悸、不眠と悪夢に悩まされ、食事もおいしく感じず、疲労感も強くなってしまいました。

冬に閉じこもっていた気が春になっても発散が始まらず、のびのびとできない肝気欝結の状態のようです。

漢方薬は肝の気の流れを良くし胃腸を整える薬方や、肝気の滞りによる気血不足を補い、精神を落ち着ける薬方等を選びました。
服用後は不安緊張感も随分ましになり、睡眠も改善傾向で元気なⅮさんに戻りつつあります。

黄帝内経には「夏は蕃秀、生きとし生けるものすべて、花咲き実る盛んな季節、陽気を体外に、すべてを発散させるように…」と書かれています。
社会全体が鬱滞気味の数年ですが黄帝内経の養生が実践できる世の中になりますよう…。

滋賀夕刊掲載【第243回】漢方薬のおはなし