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滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2022年3月分をご紹介いたします。

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今月は、第244回『更年期の悩み~ほてり、焦燥感、不眠、倦怠感…~』です。

-以下、記事本文-

新緑の季節になり、毎日の散歩が心地よく感じられる季節ですが、更年期に差しかかると、この季節が苦手になることもあります。

54歳のSさんは、家事と、仕事の両立で忙しいながら、てきぱきスケジュールをこなせており、充実した毎日を過ごしていました。
更年期に差し掛かる頃から、以前のように家事と仕事をスムーズにこなせなくなり、憂鬱な気持ちになることが増え、春から夏に季節が移る頃、ほてりがひどくなり、不眠、めまいにも悩まされ、徐々に自信が無くなってきました。

漢方医学では気血水と、肝心脾肺腎の五臓の関係を大切に考えますが、更年期は、ホルモンを司る「腎」の働きが弱り、次に、肝、心、脾に影響を及ぼし、気、血、水のバランスが崩れてしまうため、様々な症状が現れる状況と考えています。
脳髄を養う腎の働きが弱ることから、脳が空虚になり、めまい、健忘などの症状が現れます。
腎の陰(水)が不足し、ほてり、熱感(ホットフラッシュ)などの症状が現れ、心に影響が及んで不眠、動悸、不安感などの症状が現れます。
腎が弱ると、肝に及び、血を蓄える力が弱り、肝気の流れが悪くなり、イライラしやすくなります。

Sさんは肝と腎の血を補う女貞子、旱蓮草を含む漢方薬、心火を鎮める黄連、阿膠、肝血を補い睡眠を改善する酸棗仁などを含む漢方薬を服用し始めたところ、不眠、動悸、イライラ、めまいなどの症状が改善し、ホットフラッシュも徐々に改善、半年後には、以前のように仕事と家事を元気にこなせるようになりました。
更年期を、どのように乗り越えられるかで、その後の人生が全く違うものになりそうです。

滋賀夕刊掲載【第244回】漢方薬のおはなし