滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2022年6月分をご紹介いたします。
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今月は、第246回『子宝の悩みと周期調節法㉛~体外受精前に出来る事~』です。
-以下、記事本文-
4月から不妊治療が保険適用になり、体外受精のハードルが低くなりました。
現状から考えると改善すべき点が多々ありそうですが、喜ばれている方も多いと思います。
保険適用においても、年齢制限、回数制限があることを考えると、できるだけ良い体調の中、体外受精に臨むことが大切です。
39歳のTさんは、顕微授精5回で、採卵できても移植まで至らず、来店、周期調節法で漢方薬を服用し始めました。
胃腸が弱く、度重なる治療で「痰濁(たんだく)」が蓄積し、気血の流れが悪くなり卵の質の低下につながっている状況です。
胃腸を整えることによって、老廃物をきれいにし、3カ月間体調を整え、再度顕微授精に挑戦、良好な胚盤胞を得られ移植、男の子に恵まれました。
40歳のYさんは、人工授精を数回しても授からず、体外受精を勧められ、出来ることはないかと来店、漢方薬を服用し始めました。
月経痛が酷く、生理の色が暗いようです。月経血の色が暗いと、子宮の血流が悪いことが多く、着床障害につながる原因になります。
体を温め、血を養い血流を改善する漢方薬を続け、徐々に月経痛が改善し、月経血の色が明るくなり、体質が改善したところで、年齢のことを考え体外受精に進みました。
1回目の体外受精で良い卵に出会い、凍結できた卵を移植、男の子を授かりました。
子宝に恵まれない場合、体外受精は大きな福音になる方法です。
ただ妊娠率から考えると、あと一歩何らかの原因で妊娠に至らないことも多く、あと一歩の一助として、漢方薬の服用も選択肢に入ると言えるでしょう。