滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2022年7月分をご紹介いたします。

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今月は、第247回『頭痛、肩こり、気分の落込み…~漢方薬で元から改善~』です。

-以下、記事本文-

数か月前よりこめかみと後頭部から首筋にかけての痛みでお困りの52才の男性。
加えて気分が落込み、寝つきも悪く、寝ても一時間ごとに目が覚めてしまう、夢ばかり見て熟睡出来ないと言われます。
責任のある役職をされていて仕事上のストレスも多いのでしょう。

頭痛は膀胱系の凝りと上焦の瘀血が強く見られます。
また気分の落込みや不眠傾向には脾経や胆経のバランスの乱れがあり、自律神経系に影響を与えていると思われます。
頭痛と気分の落込みのそれぞれに漢方薬をお飲み頂きました。

頭痛は当初2か月経たないうちに消失しましたが、部位を変えてジンジンするような鈍痛が出てきたため漢方薬を変方し、これも2か月目にはほぼ改善することが出来ました。

気分の落込みも頭痛の改善と同時に無くなりましたが、不眠傾向には少し時間がかかりました。
現在はたまに夢を見ることはあるも、ほとんど覚えておらず、熟睡感もあり、話声も随分元気になりました。

何年も前からの肩こりと頭痛でお悩みの69歳の女性。
特に細かな仕事や目を酷使するわけではないのに肩はずっと凝っています。
ひどくなると頭痛も起こり気持ち悪くなるとのことでした。

この方は下焦の瘀血が強く、それに加え血虚と脾胃の弱さがあり、瘀血の改善と補血、胃腸の働きを良くして水分代謝を改善する漢方薬をそれぞれお飲み頂き、長年の肩こりが楽になり、頭痛が起こらなくなりました。

頭痛の原因には瘀血が関連する事は多いのですが、水分代謝の悪さや冷えも大きな原因になります。
それぞれの原因を改善する事が漢方薬の働きです。

滋賀夕刊掲載【第247回】漢方薬のおはなし