滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2023年1月分をご紹介いたします。

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今月は、第253回『慢性湿疹… ~漢方薬で体質改善~』です。

-以下、記事本文-

32歳のKさんは4年前から全身に湿疹がでるようになり、かゆみがとてもひどくてお困りです。
ステロイド軟膏を毎日塗り、かゆみ止めの内服薬も飲まれています。漢方薬で何とかならないかとの事。

見たところ赤暗くくすんだ湿疹ができ、乾燥してパサパサとむけているところもあります。
所々に黒ずんだ湿疹痕があり、年中出ていることが見受けられました。
漢方薬は、血虚と下焦の瘀血が原因していると考えられ、薬方を選びました。

当初はあまり皮膚の変化は見られませんでしたが、2か月を過ぎるぐらいから改善が見られ、8か月程度で軟膏や内服薬が必要なくなりました。
漢方薬を続けることで新たな湿疹も出来ず過ごせています。

26歳のIさんは5年ぐらい前から慢性の湿疹でお悩みです。
乳児の頃や小学校、中学校入学の頃も湿疹が出ていたようで、塗り薬などで対処されていました。
湿疹が引いても再発を繰返してきたため、漢方薬で体質的に良くできないかとご相談です。

この方は腕や脚、肩、胸などに赤みが強い丘疹や、乾燥し角化した湿疹などが多数ありました。
体質的には脂の代謝力が悪く、解毒作用が良くないように見受けられました。
乾燥に血を潤す生薬、赤みに清熱する生薬、慢性の体質に中焦の解毒作用のある生薬等を配合した薬方を選びました。

服用後は徐々に症状は軽快し、一年程で状態は良くなったのですが、その後また湿疹が出てしまい、清熱解毒の薬方を中心に服用し、さらに一年程の服用でほぼ改善する事が出来ました。

慢性の湿疹は漢方では血の改善が大切です。
同様に食事では脂質の改善を図り、油も良質の新鮮なものを使わなければなりません。

滋賀夕刊掲載【第253回】漢方薬のおはなし