滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2023年12月分をご紹介いたします。
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今月は、第264回『更年期の悩み ~尿漏れ、頻尿~』です。
-以下、記事本文-
更年期に近づくと、女性ホルモンの減少や老化によって骨盤底筋が緩み、尿道の粘膜などの弾力性が失われ、尿漏れを起こしやすくなります。
また、過活動膀胱になり、頻尿、突然の尿意などに悩まされることもあります。
咳やくしゃみでの尿漏れを気にするあまり、尿意がなくてもトイレに通うなど、旅行、外出先での不安から外出を控える原因にもなります。
産後よりなんとなく尿漏れを起こしやすかった方や、頻尿の方は更年期前後からのケアが大切です。
膣と肛門を引き締める骨盤底筋を鍛える運動などを日頃から心がけることである程度の予防や改善が可能ですが、漢方薬の服用も有効です。
「桑螵蛸(そうひょうしょう)」という生薬は、腎を補い、頻尿を改善し、尿漏れを防ぐ効果があるとされ、その他、健脾(けんぴ)、重鎮(じゅうちん)、養肝(ようかん)などの働きを持つ生薬や、体調に合わせた漢方処方と組み合わせることでより効果が高まります。
50代のYさんは、動悸や息切れなどの更年期症状に悩んでいました。
更年期のための漢方薬の服用で症状は改善しましたが、しばらくすると、今度はくしゃみをすると尿漏れをするようになりました。
そこで、桑螵蛸が配合されたものを合わせて服用したところ、一カ月半ほどですっかり良くなり気にならなくなりました。
夜中にトイレに起きることも無くなったとのことです。
尿漏れの悩みはなかなか人に言えず、様々なことに自信を無くしてしまうこともあります。漢方薬の服用が、自信を取り戻すきっかけになればと思います。