滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2024年1月分をご紹介いたします。

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今月は、第265回『慢性の頭痛~漢方的原因と体質~』です。

-以下、記事本文-

5年以上前から頭痛でお悩みの40代のTさん。
ひと月に4、5回ひどい頭痛が起こります。生理の前後も痛みますが、生理に関係なく起こる事も多いようです。
もらっている薬が効かず、今まで偏頭痛の薬も色々試されましたがどれも効かなかったとの事。
市販の鎮痛剤もしんどくなったりアレルギーがでたりであまり飲めません。
ひどい時は吐き気もあり、仕事も家事も何もできなくなり大変お困りでご相談です。

頭痛には血管が拡張する偏頭痛や筋肉の収縮による緊張型頭痛、原因はっきりしていない群発頭痛などがありますが、漢方医学的には気・血・水の不足や滞り、寒熱、虚実を考慮して漢方薬を選びます。
Tさんは症状や体質傾向から血虚、瘀血、胃腸の冷えなどのいくつかの原因に対処するため、漢方薬も数種類必要となりました。
元来の虚弱体質もあり、改善までかなり長くかかりましたが、頭痛が起こらず元気に過ごせる月が多くなりお喜びです。

Kさんは偏頭痛でお困りです。
こめかみのあたりが痛くなり吐き気も起こります。
お聞きすると胃腸の冷えがあるようですが、気圧の変化に敏感に反応して頭痛が起こると言われ、いわゆる気象病で低気圧による自律神経の乱れも原因しているようです。

Kさんには胃腸を温め、自律神経を安定させる漢方薬を選びました。
天候の大きな変化があると頭痛は起きますが、長くお続け頂いて随分と安定してきました。

頭痛のための漢方薬には多くの薬方がありますが、その方の体質や原因を漢方的に考えて選ぶことにより、確かな効果を出していく事が出来ます。

滋賀夕刊掲載【第265回】漢方薬のおはなし