滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2024年6月分をご紹介いたします。

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今月は、第270回『放置してはいけません!~月経不順や無月経~』です。

-以下、記事本文-

5月12日(日)、不妊カウンセリング学会に発表者として参加しました。
不妊カウンセリング学会は、不妊症のカウンセリングの質を高めることを目的とした学会で、医師、看護師、胚培養士、鍼灸師、薬剤師などから構成されています。

今回の学術大会は、800人収容可能な大きな会場。緊張しながら当店の不妊症への対応について発表し、なんと優秀賞をいただくことができました。
これを励みに、よりレベルアップに努めたいと思います。

当店では、不妊症や月経のご相談に対して、「周期調節法」という理論をもとに対応しています。
月経やホルモンの状態と陰陽理論を結びつけて考え、月経周期に合わせて漢方薬を飲む方法で、ホルモンバランスや月経周期が乱れやすい人におすすめの方法です。

月経が遅れがちになったり無月経になったりしても、妊活をしていない場合は、「楽でいいな」と思う人もいるようです。
月経はめんどうという気持ちはわかりますが、月経の乱れは、女性ホルモンのバランスが崩れていることを表します。
妊活中の人はもちろん、妊活をしていなくても放置してはいけません。

女性ホルモンは、気づかないところで女性の体を守っていてくれます。
例えば、骨を強くする、脱毛を防ぐ、血圧や悪玉コレステロールの上昇を防ぐ、最近では免疫と関わっていることもわかっています。
更年期を過ぎた女性が、骨粗しょう症や薄毛、高血圧、高脂血症などを発症しやすくなるのは、女性ホルモンの急激な減少と関係しています。

更年期ではないのに、月経不順や無月経があるのは要注意。そのまま放置すると、先に書いたような疾患と他の人よりも早くから戦っていかなければならなくなります。
いざ更年期を迎えても、ホルモンバランスをなるべく整えるように対応すると、更年期症状も、その後の体調も安定しやすくなります。

人生100年時代と言われると、平均的な閉経から50年もあります。月経不順や無月経を放置せずきちんとケアすることも、健康寿命を伸ばすために大切なことの一つです。

滋賀夕刊掲載【第270回】漢方薬のおはなし