滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2024年7月分をご紹介いたします。
バックナンバーはこちら(お悩みの症状に関連する記事を検索していただけます。)
今月は、第271回『年中つきまとう肌荒れ…~対症療法に留まらない漢方~』です。
-以下、記事本文-
肌荒れ、アトピーが年中続くことがお悩みだったという30代のGさん。
お仕事がきっかけで悪化したようで、お体のいたるところにブツブツが出来ている状態でした。
今の状態が少しでも良くなればとご相談に来られました。
アトピー性の皮膚炎は幼少期からのアレルギー体質に起因することが多く、根深い疾患であることが多いです。
そのため根治が難しく、一般的には対症療法が中心になります。
東洋医学では、皮膚症状の多くを血あるいは水の不足、滞りからなる疾患と捉えます。
また皮膚の表面が乾燥しているか、ジュクジュクしているか、といった燥湿の判断も漢方薬を選ぶ上で大切です。
現代においては、食の欧米化に伴い、血の質や巡りに問題がある方が増えて来ているように感じています。
Gさんの場合は、血の質や巡りに問題があると判断し、また皮膚にカサつきが見られたことから、血を補い潤いを保つこと、血の質を整え炎症を抑えること、血の巡りを良くすることの3点を目標として漢方薬を選びました。
服用開始1カ月後から肌の状態が綺麗になり始め、2カ月経つ頃には顔だけにしか症状が出なくなっていました。
こんなに早く効果が出るのかと驚かれていたのを覚えています。
4カ月後にはお体にほとんど症状が出なくなり、このタイミングで漢方薬を徐々に減らし始めました。
症状が完全に治まり、服用開始から7カ月経った頃に服用終了としました。
お肌の状態が良くなるにつれ表情もどんどん明るくなられ、それを見届けられたことがとても嬉しく思えた一例でした。