滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2026年8月分をご紹介いたします。

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今月は、第296回『更年期の悩み~50代からを元気に過ごす~』です。

先日、日本中医薬研究会主催による50代以降の女性の健康をテーマにした講演会がありました。
婦人科医の高尾美穂先生による西洋医学、中医学、それぞれの視点からのお話です。

女性は90歳近くまで生きる時代。50代は更年期を乗り越えるだけでなく、その先の健康寿命を考える大切な曲がり角です。
閉経前後には女性ホルモンが大きく減少し、ほてりや発汗などの不調に加え、閉経後は骨や血管、肌、髪にも変化が現れます。

一方、中医学では、病気になる前の「未病」の段階から身体を整えることを大切にし、50代以降では「活血」と「補腎」を重視します。
「活血」は血の巡りを整え、「補腎」は加齢とともに弱りやすい生命の土台を補うという考え方です。

40代後半のTさんは、仕事で重責を担う一方、頭痛、めまい、不安感に悩まされ、月経も乱れ、出血が長く続くことが増え、仕事を辞めていました。
活血、補腎の漢方薬に加え、気の巡りを整える漢方薬の服用を続けるうちに、頭痛やめまいなどが減り、少しずつ仕事を再開できるようになり、笑顔も戻ってきました。
今も、これからの体を整えるために漢方薬を続けています。

中医学でいう「腎」の力は、命を灯すろうそくにも例えられます。
勢いよく燃やし尽くすのではなく、火を守りながら長く灯していく。そのために身体を補い、巡りを整える。

人生100年時代。
大切なのは、ただ長く生きることではなく、命の火をできるだけ健やかに灯し続けること。
その知恵の一つが、古くから伝わる「活血」と「補腎」なのだと思います。

滋賀夕刊掲載【第296回】漢方薬のおはなし