少し前まで涼しく過ごしやすい気候で、お客様と『もう秋ですね』なんてお話ししていたのに、この頃また夏が戻ってきたような暑さに驚いています。

先日、お客様から「黄体値が低いので黄体を補充するホルモン剤を使うことになりました。使っても良いのでしょうか。ホルモン剤は体に負担がかかりそうで心配です。大丈夫でしょうか?」というご質問をいただきました。

婦人科での会計待ち。
この時間は妊活されている方にとって意外と苦痛な時間です。
医師に言われたことがぐるぐると頭を巡り、不安でいっぱいになって、居ても立っても居られなくなりご連絡をいただく事がよくあります。
この方も、不安がピークの時にご連絡いただいたとのことでした。

さて、妊活を語る上で黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きは、大きく次の3つです。

  1. 妊娠に最適な体温に上げる
  2. 子宮内膜をふかふかにする
  3. 妊娠を継続させる

黄体ホルモン(プロゲステロン)が弱いと、高温期が続きにくかったり、せっかく受精&着床していても流産してしまったり、高温期の途中で陥没したり、基礎体温が低く現れたりします。
黄体ホルモン(プロゲステロン)は、赤ちゃんがやってきてくれるために大切なホルモンです。

黄体ホルモン(プロゲステロン)は、排卵し終わった後の卵胞から黄体が形成され、その黄体から分泌されます。

黄体形成

ですので、お客様の黄体ホルモンの値が低いことがわかった場合、私たちはまず体調を整えることによって卵胞をしっかり育てることや、黄体形成を助けることを考えます。

一方、現代医学では、黄体ホルモンの値が低い場合に“黄体ホルモン製剤”を使って黄体ホルモンを補充することがあります。
これを“黄体ホルモン補充療法(黄体補充療法)”といいます。

黄体補充療法については、やみくもに行っても妊娠率が上がらないことが研究でわかっています。
黄体ホルモンの分泌が低いという問題の中には、そもそも卵胞がしっかりと育っていないことなどもあり、外からホルモン剤を補充するだけではうまくいかないということなのかもしれません。

高温期が短かったり、高温期途中で陥没したり、黄体ホルモンの分泌が弱いと考えられる方の多くが、低温期も短かったり逆に長かったり、ガタガタで安定しなかったり、といった卵胞の発育に関係する要素も見受けられる現状があります。

ですが中には、しっかり卵胞も育っていそうなのになかなか高温期が安定しない方もいらっしゃり、病院で黄体ホルモン補充療法を受けて妊娠されることもあるようです。

ごくたまに、なかなか妊娠できないと聞いて検査もしないまま黄体補充するクリニックさんがあると聞きますが、
そういうクリニックさんにあたってしまった時は、転院を検討された方がよいかもしれません。

黄体ホルモン製剤に限らずよく聞くご不安として、「ホルモン製剤の体への負担」があります。
こればっかりは、ある程度体に負担があることは仕方がないことといえます。
よくあるのは、血流の問題やむくみ、だるさ、こころの問題です。
幸いなことに漢方薬はこれらの対応が得意で、気・血・津液(水)の巡りを良くすることで対応しています。

医師から黄体ホルモン補充の提案を受けて不安に思った時、様々な検査結果を考慮して判断されたことか、黄体ホルモンを補充する理由を説明され納得できたかどうか、をチェックしてみてください。
体への負担はどうしてもありますが、漢方薬や日々の過ごし方で軽減することも可能です。
ご不安に思ったらぜひご相談くださいね。