今年の冬は「超暖冬」
暖冬というのは今まで何度も聞きましたが
60年以上生きてきて超がつくのは初めて聞きました…
ここ近年は桜の開花も年々早まっているそうですが
だからと言ってこの先ももっともっと早くなっていくかと言うと、そうでもないのだそう…
桜のつぼみは秋にいったん休眠状態になります
そして冬の厳しい寒さで再び目を覚まし(=休眠打破というそうです)
春の暖かさによって成長していきます

冬がどんどん暖冬になるとこの大切な休眠打破がなく、桜の花はそれぞれだらだらと咲くようになり、満開という状態がなくなるかもしれない…
そんなことを天気予報で言われてました
暖冬で過ごしやすいことを喜ばれる方は多いかもしれませんが、何でも度を超すとあまり良い事はないですね

今回は原因不明の筋肉・関節のこわばり、痛み の方のご紹介です

37歳女性。

数年前から下半身が冷え、むくみもあり、体がだるいとのことで来店されました。
この時は血液を補い、血流を改善する漢方薬を数カ月お飲み頂いたところ、ほとんどの症状を改善することができました。
しかし、二か月後またお越しになりました。
今度は体のあちこちが痛み、動かすことも不自由だということです。
病院で検査をしても異常はないとの事でお困りです。
症状は主に上半身の腕や背中の筋肉や関節がこわばって痛みます。
腕を動かすことが不自由ということはこの方のお仕事には致命的な事になります。
現在は理解のある職場で休ませてもらっているが、復帰しても結局はまたダメになると、精神的にもかなり影響が出ています。
当初は胸郭出口症候群と考え漢方薬を選択していたのですが、飲み始めは少しマシになるのですが、1~2か月飲んでいるとまた症状が強くなってしまいました。
色々お聞きしていると人間関係で大きなストレスを抱えていることがわかりました。
本来は小さい頃からの想いをかなえた職場だったのですが、その大好きな仕事のこともストレスになり、不安感も大変強いようです。
それから五志の憂の異常に対する薬方に変え、肝気の滞りを改善し血液を補う漢方処方と、さらに頚椎の異常についても漢方薬を服用頂きました。
少し時間はかかりましたが、段々とこわばりと痛みも改善し、一年後には全く症状もなく元気に過ごせるようになりました。
この方は結局職場を変わられたのですが、体が快調になると同時に、職場でのプレッシャーから解放されて心と体が同時に良い方向に向かった結果だと思います。

 東洋医学には「七情の内因なければ六淫の外邪犯さず」 という言葉があります
七情とは怒・喜・憂・思・悲・恐・驚
六淫とは風・寒・暑・湿・燥・火
感情の過度な起伏や精神的な乱れが免疫力を落とし、環境から来る色んな外邪に犯されて病になってしまうと言う、ストレスが病の大きな原因であることを説いたものです。

体調不良の色んな症状が病院で検査をしても、特に悪いところがなくストレスでしょうと言われ終わってしまう事がありますが、精神的な安定はとても大切なことです。
漢方薬で対処できることはたくさんあります。どうぞご相談くださいね。