GWの5日、賤ケ岳に登ってきました。
余呉の江土登山口から大岩山経由のルートです
晴天にも恵まれ、とても快適な登山(ハイキング?)でした
頂上ではボランティアガイドの方から賤ケ岳合戦の説明を受けました。
実はガイドの方は学校薬剤師もしている小学校の元校長先生でした
僕は帽子にサングラス姿で素性がわからなかったようで、すごく丁寧にお話しくださいました。
話の最後で、このままでは失礼かなと思い、サングラスを取って自己紹介…
お話では、合戦後から現在にも伝わる人間関係のとてもいいお話も聞くことが出来ました
登るのは久しぶりで自信がなかったので、トレッキングポールを使いましたが、賤ケ岳でポールを使っている人は他にはいなかったような…💦

ということで今回は五十肩のご紹介です

62歳 女性

一年ぐらい前から家事で左肩をひねってからおかしくなりました。
マッサージなどである程度良くなって過ごせてはいたのですが、家事や畑仕事などで無理をしたらまた悪くなったとのこと。
今回は随分ひどく、痛みで腕が挙げられないと言われます。
だるさとしびれも少しあります。
この方は胃腸が少し弱く、水分の代謝が悪いことが見受けられ、湿からくる痛みと考えられ、風湿の邪を去り、利水水作用のある漢方薬を煎じ薬でお飲み頂きました。
経過はとても良好で、2週間程度で腕が温かく感じ楽になり始め、一ヶ月でほとんど忘れるぐらいになりました。
その後6ヶ月間お飲み頂き漢方薬をやめることが出来ました。
(ボテジャコ掲載)

この方の痛みや腕が上がらないなどの症状は、煎じ薬をお飲み頂いたこともあり、ほぼ一か月で良くなっています。
でも糸練功で診る経気の状態は、まだ2割程度の改善です。
10割までしっかりと経気の状態を改善すると、悪化、再発の可能性が少なくなります。
このため7か月ほど服用して頂きました。

~五十肩について~

正式な病名は肩関節周囲炎と言い、中年以降、特に50歳代に多くみられるため五十肩が一般的ですが、発症した年齢によって五十肩や四十肩などと呼ばれます。
関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。

肩~上腕にかけて痛み、関節の動きが悪くなり、腕が上がらない、後ろに回せない等の症状が現れます。
痛みは夜間にも多く、ズキズキと痛みで眠れないこともあります。
軽症の場合は数週間から半年ぐらいで治ることもありますが、重症になると一年半以上、数年かかることもあります。

~五十肩の漢方薬について~

多くは上焦の太陽病位の処方(加朮附子)で改善できる場合が多いです。
葛根湯(加苓朮附)
桂枝二越婢一湯(加苓朮附)
麻杏薏甘湯
二朮湯  など
慢性的や難治のものでは、駆瘀血の薬方や柴胡剤を使う事もあります
五十肩単独の場合はさほど難しくはありませんが、五十肩のような症状でも、頸椎が原因している場合や胸郭出口症候群など、
またこれらが併発している場合もあり、一方向からだけでなく他方向から診て考えないといけません。

~ちょこっと漢方のお話~

五十肩に使う漢方薬の中で特徴的なものに二朮湯があり、
効能効果として五十肩だけが適応認定されている薬方です

出典は万病回春の臂痛門に
臂痛むは湿痰、経絡に横行するに因る
〇二朮湯 痰飲、双臂痛むを治す。又、手臂痛むを治す。是上焦の湿痰、経絡中に横行して痛みを作す也
とあります

薬味は
蒼朮、白朮、茯苓、天南星、威霊仙、羗活、黄芩、半夏、香附子、陳皮、生姜、甘草
上焦の水毒による痛みに使えます

蒼朮、白朮の両方(で二朮)を使った処方です
(朮は前回のブログでも書きました~滋賀夕刊記事も~)

葛根湯系統の膀胱系の薬方は肩十文字にコリがあり、糸練功でも簡単にわかりますが
二朮湯には縦のラインの凝りがありません。