夜、大きな雷とともにボコボコという音が…
外を見るとザッー!と雹(ヒョウ)が大量に
結構一面白くなりました
朝、出勤のため車に乗ったら、ワイパーのところに一晩溶けずに固まったヒョウ
まるで雪が降ったような…
今、4月の半ばです…

今回はふわふわめまい、動悸でお悩みの70台女性のご紹介です
元来虚弱な体質です
10年以上前にめまい、ふらつき、不整脈などで入院され、それから退院後もずっとスッキリしません
色々な薬も飲まれ、なんとか今まで持たせてきたと言われます
それが最近食事がおいしくなく、手足が冷え、動悸、フワフワめまいがあり、漢方薬も飲んでみたいと来店されました
自律神経系のバランスを整えることとめまいに対する水分代謝を整えることを目標に漢方薬を選びました。
漢方薬を服用後、症状が少し良くはなるのですが、また戻ったりの繰返しで、どこがという事もなくだるいとおっしゃいます。
結局数回薬方変更しましたが、半年後ぐらいから調子が良くなり始めました。
その後趣味の活動も復活され、最初の来店の頃に比べ、ずいぶん活動的になって頂けました。
あれから現在6年以上になりますが、漢方を飲みながら元気にお過ごしです
~~ちょこっと漢方薬のお話~~
めまい、動悸などに使う漢方薬に真武湯があります
薬味は
茯苓、白朮、芍薬、生姜、附子
少陰病の附子剤の代表的な薬方で、少陰の葛根湯ともいわれます
少陰病は 少陰之為病脈微細但欲寐也 /傷寒論 弁少陰病脈証併治第十一
(少陰病は脈がかすかで触れにくく小さな脈で、ただごろっと横になって寝ていたいものである)
陽の気が衰退し、いわゆる新陳代謝が落ちた状態です
出典は傷寒論で
太陽病發汗汗出不解其人仍發熱心下悸頭眩身潤動振振欲擗地者真武湯主之 *潤(原典は氵→目へん閏に閏)/傷寒論 弁太陽病脈証併治中第六
(太陽病を発汗して汗は出たが治らず、なお発熱しみぞおちに動悸がして頭がくらくらと目眩がし、体がぴくぴくとし、ふらふらして地面をなでようとする者は真武湯が主治する)
これは太陽病から病が治らず少陰病に転じたものです
少陰病二三日不已至四五日腹痛小便不利四肢沈重疼痛自下痢者此為有水氣其人或欬或小便利或下痢或嘔者真武湯主之 /傷寒論 弁少陰病脈証併治第十一
(少陰病で二三日経っても回復せず、四五日になり腹が痛み小便の出が悪く手足が重く感じうずき痛み下痢する者は水気があるためである、その人が或は咳をしたり、或は小便が出たり、或は下痢したり、或は嘔いたりする者は真武が主治する)
また、直中の少陰といい、虚弱な人(高齢者や虚弱体質の人)が風邪をひいた時にいきなり少陰病になる時があります。
風邪などの邪気を受けた時、多くは太陽病から始まります。
(太陽膀胱系の膀胱という文字は月(にくづき=身体)に旁光で、体の中で光を照らしながら邪気を見回る門番の働きです)
太陽病位の薬方(桂枝湯、葛根湯、麻黄湯…)で邪気を処理できなかったとき、邪気は表から裏に入り少陽病(半表半裏)となります。この少陽病位の薬方(柴胡剤中心)でも治らなかったときに実証が強いと陽明病となり、虚すれば陰証となり太陰病となります。太陰病からさらに少陰病と進み、そこから厥陰病と移行するのが病の三陰三陽の移行です。
直中の少陰は、最初の太陽病での門番がいない状態(虚弱者、高齢者など)で、邪気が入るといきなり少陰病として発症します。
これには基本的に附子剤の真武湯や麻黄附子細辛湯、四逆湯などの薬方で対処します
真武湯の方意は
附子:腎陽を温め、寒証、水毒に作用
白朮・茯苓:水毒の利水、健胃、動悸を治す
芍薬:陰気を益す、筋肉を緩める-白朮、茯苓とともに消化管に作用し、下痢、腹痛、四肢沈重、痙攣などを治す
生姜:健胃、鎮嘔、経を温め寒を逐う、白朮、茯苓とともに水毒の動揺による目眩、心悸亢進などを治す
脾胃の水毒による下痢や尿不利、脾胃の水毒の動揺による目眩や心悸亢進、
虚寒証、新陳代謝の沈衰
応用は下痢、腹痛、胃腸炎、腎臓疾患、心疾患、肝硬変、高血圧、低血圧、脳出血後遺症、メニエール、起立性調節障害…
感冒、気管支炎、肺炎、肋膜炎…
このように方意に合うと急性も慢性も多くの疾患に用いる事ができる薬方ですが、現在ではめまいや下痢証にはそこそこ使いますが、昔ほどは頻用されてはいないかもしれません
加味方は
+人参、+人参湯 で 虚の状態がさらに強い時に加味合方します
人参の加味ですが
傷寒論には真武湯の生姜を去り人参を加えた附子湯があります
真武湯:附子、茯苓、白朮、芍薬、生姜
附子湯:附子、茯苓、白朮、芍薬、人参(白朮、附子の量を倍量)
浅田宗伯は勿誤薬室方函口訣で附子湯について
此ノ方ハ真武湯ノ生姜ヲ人参二代ユル者ナリ。彼(=真武湯)ハ少陰の利水ヲ治シ、此(=附子湯)ハ少陰の表寒を主トス。一味ノ変化妙ト云フベシ。此ノ方「千金」ニ類方多シ。身体疼痛ノ劇易ニ随ツテ撰用スベシ
と述べています
少陰病の代表的な薬方には他に四逆湯がありますが
薬味は 甘草、乾姜、附子で、こちらは甘草乾姜湯がベースに附子となります
甘草乾姜湯は胸中を温め新陳代謝を盛んにします
附子は大熱、乾姜は熱薬で非常に温める働きが強い生薬です
甘草乾姜に附子という四逆湯
白朮茯苓に附子という真武湯
という方意の違いがありますが、
真武湯合人参湯(附子、茯苓、白朮、芍薬、生姜、人参、乾姜、甘草)
は薬味的には真武湯、四逆湯、附子湯の方意を含むことになります
また、真武湯は傷寒論の桂枝去桂加茯苓白朮湯(芍薬、白朮、茯苓、生姜、大棗、甘草)に附子を加味し、大棗甘草を去したものと言いえます
元来、真武湯は玄武湯と名付けられていたのですが、宋の時代に皇帝である趙玄朗の玄を避けて真武湯と変えられました。
玄武は中国の神話で四神の北を守護する神です
これはもうずっとずっと前にブログに書いたのですが
北=玄武、東=青竜、西=白虎、南=朱雀
漢方薬でも
北‐黒‐附子‐玄武湯(=真武湯)
東‐青‐麻黄‐小青竜湯、大青竜湯
西‐白‐石膏‐白虎湯
南‐赤‐大棗‐朱雀湯(=十棗湯とも云う)
なんか、少陰病から話の収拾がつかなくなっちゃいました…、この辺にしときます…

(皇漢医学/湯本求眞より)







