木之本名物、平和堂駐車場のどけ雪もなくなりました
1月に連日降った時、うちの裏の雪も解けるのか心配になるぐらいでしたが
やっぱり春は来るのですね
雪溶けて 箱いっぱいの ティッシュかな…
そうですね、花粉症です
ということで、アレルギー性鼻炎の60代の男性の紹介です
若い頃から花粉症が始まり、毎年春のスギ、ヒノキの季節はくしゃみ、鼻水でズルズルです
抗ヒスタミン剤の内服、目薬は離せません
しかし抗ヒスタミン剤は眠気がひどく、仕事に差し障るからよくないとご自身で漢方薬を試されましたが、あまり効かないとのご相談です
この方はやせ型で体質的にもいわゆる虚証の方で、糸練功で確認し、飲まれた漢方薬ではない薬方を選んだところ、これまでの漢方薬と違って、速攻で効いてくるとの事
それからは毎年春は欠かせない漢方薬になっています
~~ちょこっと漢方薬のお話~~
花粉症、アレルギー性鼻炎に使う漢方薬に麻黄附子細辛湯があります
花粉症の漢方薬と言えばまず小青竜湯ですが
この麻黄附子細辛湯も忘れてはいけません
薬味は名の通り 麻黄、附子、細辛 の3味
温剤の麻黄、細辛に大熱の附子で、表裏の寒証をあたため、肺の水毒を駆逐します
応用は感冒、アレルギー性鼻炎、気管支炎、喘息、寒冷蕁麻疹、神経痛等の虚証に使用します
出典は傷寒論 少陰病編
少陰病始得之反發熱脈沈者麻黄附子細辛湯主之
/少陰病で発病し発熱して脈が沈であるものは麻黄附子細辛湯が主治する
少陰病については
少陰之爲病脈微但欲寐也
/少陰の病は脈が微細でただごろっと横になって寝ていたいものである
少陰病は裏寒虚証で悪寒、四肢の冷え、水溶性の下痢、気力低下、心臓衰弱等の症状で、老人や虚弱者に多いものです
基本的に少陰病は悪寒があり熱感はないのですが、麻黄附子細辛湯の条文では反發熱と表証があることを述べています
この熱は実の発熱でなく、表に血水が廻らないことによる虚熱です
漢方では
感冒の多くは 太陽病 → 少陽病 →(陽明病)→ 太陰病 → 少陰病 と移行するのですが
老人や虚弱者では、抵抗力が弱く少陰病として発病する場合があります
これを 直中の少陰 といい麻黄附子細辛湯や真武湯などの附子剤を用います
アレルギー性鼻炎に話を戻しますが
麻黄附子細辛湯は少ない薬味で証が合えばとてもシャープに効きます
小青竜湯であまり効果のない、虚弱なタイプの方は良く効く可能性が高いです
また、この麻黄附子細辛湯と小青竜湯を一緒に使う事もあります
小青竜湯は 麻黄、桂枝、半夏、乾姜、芍薬、細辛、五味子、甘草
なので、薬味的には 小青竜湯加附子 になります
(私はこういう合方はあまりしませんが…)
麻黄附子細辛湯の合方には桂姜棗草黄辛附湯があります
これは陽証の桂枝去芍薬湯と陰証の麻黄附子細辛湯 の合方です
出典の金匱要略水気病では
気分心下堅大如盤邊如旋杯水飲所作桂枝去芍薬加麻黄附子細辛湯主之
/陰陽の気が上手く廻らない病で心下(胃のあたり)が堅く、盤のような大きさで周りは杯の淵のように円いのは水飲によりできたもので、桂枝去芍薬加麻黄附子細辛湯が主治する
また、當汗出如蟲行皮中即癒 と書かれ
服用した後、汗が出て皮膚の中を虫が行くようにむずむずすると癒える
とあります
この桂姜棗草黄辛附湯はとても面白く興味深い薬方で、日本のいわゆる漢方の大家といわれる先達たちは
気管支炎、喘息、蓄膿、神経痛、腰痛、ノイローゼのほかに癌、白血病、肝硬変、腹水など様々な難病に使い著効を得ていす。
浅田宗伯は勿誤薬室方函口訣で大気一転の方と呼び、いくつもの難病を治したことを記しています
秦の呂不韋(映画のキングダム2で佐藤浩市さんがやってましたね)は呂氏春秋で
陰の気と陽の気が一緒になった時に人の生命が生まれる
そして陰の気と陽の気が上手くめぐらないで停滞したときが病気である
陽の気と陰の気が分離してしまうと死である
と述べています
漢方の栄衛の栄は栄養を主る働きで衛は身体の働きを守る働きです
栄は裏の気、陰の気であり、衛は表の気、陽の気です
この気がうまく交わらなくなってしまうのが気分の病で、これをめぐらして治すのが桂姜棗草黄辛附湯ということになります

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(勿誤薬室方函口訣/浅田宗伯 より)




