滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2025年12月分をご紹介いたします。
バックナンバーはこちら(お悩みの症状に関連する記事を検索していただけます。)
今月は、第288回『女性の悩みと漢方~子宮筋腫~』です。
子宮筋腫は、女性が閉経を迎えるまでに四人に三人が経験するといわれるほど身近な疾患です。
しかし、実際に検査で指摘されるのは約三割にとどまり、多くは自覚のないまま経過します。
子宮筋腫には、子宮内膜側にできる粘膜下筋腫、外側にできる漿膜下筋腫、筋層内にできる筋層内筋腫の三種類があり、種類によっては月経量の増加や貧血を引き起こすこともあります。
東洋医学では、子宮筋腫の背景に、冷えやストレス、食生活の乱れ、不規則な睡眠などによる「気滞血瘀(きたいけつお)」、また老廃物が体内に溜まる「痰濁(たんだく)」といった体質の乱れがあると考えます。
そのため治療では、血流を促す「活血」、痰濁を除く「化痰」、ストレスを和らげる「理気」を基本とし、個々の体質を整えることが重要とされます。
Oさんは以前から子宮筋腫がありましたが、40歳を過ぎた頃から複数の筋腫が確認され、最大で5センチにまで成長しました。
仕事や家庭でのストレスが増えた時期と重なり、医師からは手術の可能性も示唆されました。
もともと、胃腸が弱く冷えやすい体質が見られたため、血流を促す生薬に加え、体を温め胃腸の働きを助け、老廃物を排泄する漢方薬を服用しました。
三か月後の検査では進行が止まり、半年後には縮小が確認されました。
その後も服用を続け、二年後には約二センチまで小さくなり減薬。
閉経後はさらに縮小し、更年期に合わせた処方へと移行しました。
体質を整えることで子宮筋腫の進行を抑えるだけではなく、穏やかに更年期を迎えられる可能性を示す一例と言えるでしょう。





