今日もこちらは1日雪が降り
大変寒い1日

今年の冬は、北陸地方にとって厳しい冬・・・です
早くこの雪の毎日から解放されたいと、そろそろ春が恋しくなってまいりました

そんな中、土曜日はとてもうれしいご報告
抗精子抗体を克服され
本日病院で妊娠の確認ができたとのこと
驚くことに自然妊娠です

抗精子抗体とは・・

人はもともと、病原菌から体を守るため
「抗体」をつくり、病原菌の再感染に対して抵抗力を身に着ける力を持っています

ただ、この人の働き、時々困ったことになります
少しばかり暴走する傾向にあり
どのようなものにも、「抗体」を作ろうとしてしまうことがあります

当然、普段は病原菌だけに反応するようにできているのですが
体調がすぐれなかったり
ストレスの多い毎日であったり
通常の状況ではないときに、善悪の判断が付かず
様々なものに抗体を作ろうとしてしまうことがあります

アトピー性皮膚炎、花粉症、膠原病・・・・

上記の病はその代表的な病気です

そして、この抗体を作り出してしまう困った状況で
精子に対しても抗体を作ることがあります

抗精子抗体は、男性因子、女性因子両方ありますが
一般的には女性因子の測定が多いので、今回は女性因子について触れます

抗精子抗体と言われたら考えられること

1.頸管通過障害
    精子が子宮頸管の中で抗体と反応し子宮の中に入れなくなります

2.卵管内の通過障害
    子宮内に入った精子は、卵管内の精子抗体と反応してしまい
    卵子のもとまでたどり着けなくなり、卵子と受精できなくなります

3.受精障害  
    無事卵管を通過し、卵子と出会えても
    卵子の透明帯と結合するなどの理由で、卵子と受精できなくなります

この1~3の状況は、抗精子抗体のレベルによって考えられる障害で、
重症の場合すべてにおいて当てはまり、体外受精、もしくは顕微授精の適応になります

抗精子抗体の検査データーについて
PCT(ヒューナーテスト)の成績不良が確認できたとき、
もしくは、AIH(人工授精)を複数回実施しても妊娠できない場合に検査

1.精子不動価値(SIV)
   検査会社からの半量的な一次検査結果報告で、
   正確な治療方針を決定できない
   SIV陽性として2以上の数値が出た場合SI50値を測定する

2.50%精子不動化値(SI50
   定量的な精子不動化抗体価であり、数値のレベルにより
   治療方針を決める
   検査は3回以上行うのが好ましい

上記二通りの測定方法があります
最終的にSI50の測定値によって以下のように治療方針が決まります

1.常に10以上・・高抗体価群
    IVF-ET(高度生殖医療)に進む

2.10前後・・・・中抗体価群
    人工授精からのスタート

3.常に10未満・・低抗体価群
    人工授精からのスタート

以上が女性因子による抗精子抗体についてのまとめです
参考資料:2016不妊・不育症診療パーフェクトガイド

抗精子抗体と診断され、自然妊娠に至る例はまれといわれております

わたしのところに来ていただいた方での
抗精子抗体陽性の診断があり自然妊娠に至った例は他にもあり
今回の方との共通点として、蕁麻疹が起こったり
アレルギー症状をお持ちだったのですが
漢方薬の服用でその症状が改善した頃
妊娠に至りました

この事はとても興味深く
これからも、アレルギー疾患をお持ちの方には
その症状の改善を大切に考えていこうと思います

思わず長いブログになってしまいました

今回灯った命の火・・・
神様からのプレゼントとして
大きく大きくなり、心から喜べる日がきますように・・・・