せっかく春らしい気候になったと思った矢先の雪!
京都でもうっすら雪が地面に積もったと、お客様から伺いました。
春の嵐に戸惑います。まだまだ暖かい下着が手放せません。

今日ご紹介のお話、
子宮内膜症によるチョコレート嚢胞で妊娠に至らなかったAさんのお話です。

子宮内膜症(EM)は生殖年齢女性の6~10%に存在し、不妊女性の50%に存在する病気です。
確かにご相談の方は、子宮内膜症を併発なさっている方が多いと実感いたしております。

病態として、

1.腹膜病変
2.卵巣子宮内膜症性嚢胞(卵巣チョコレート嚢胞)
3.深部浸潤性病変

があります。


原因は明らかになっていませんが、有力な説は、月経血が腹腔内に逆流することによって、子宮内膜片が様々なところに生着し、増殖、血管新生を繰り返すという説です。
子宮内膜症が不妊症の方に多い理由として、この病気を発症すると妊娠しにくくなるからということですが、妊娠力への影響としては以下の通りです。

妊娠力への影響

1.卵巣機能が低下
2.侵入精子の運動障害、受精障害、胚発育障害を起こす
炎症性サイトカインや、活性型マクロファージによる慢性的な炎症性骨盤環境を形成し、子
宮内膜症組織の血管新生、子宮内膜症病変の進行を促進することによる。
3.卵管障害、閉塞による卵子、精子通過障害

治療方法として

1.ジエノゲストまたは低用量ピルの内服による閉経療法
2.病巣の摘出手術

があります。

1.の治療方法は、妊娠を希望なさっている方には選択できず、2.の手術の場合、卵巣嚢胞の摘出手術によって、著名なAMH(卵巣予備能)の低下が予測されるので、病巣の大きさによって、慎重に決める必要があります。

手術をした方が良い場合

1.卵巣チョコレート嚢胞の大きさが4~5㎝以上
2.卵巣チョコレート嚢胞内に、将来癌化しそうな充実部がある場合

ですが、1.2.の条件に当てはまっても、年齢が35~40歳以上であったり、
AMHが2ng/ml未満の場合は、手術は望ましくないとされています。

子宮内膜症で問題になるのは、卵管閉塞は当然ですが
炎症による卵の質の低下受精障害、着床環境の悪化による着床障害だと思います
東洋医学では、この炎症の環境を、「清熱解毒」「活血化痰」という方法で改善につなげることが可能だと認識しております。
そのため、卵管閉塞がなければ、漢方薬の服用も選択肢の一つですし、これから治療を考えている方の病院治療の一助になることが予測されます。

Aさんのお話に戻ります

Aさんは結婚5年で子宝に恵まれず、来店されました。
月経痛がひどく、月経期間の基礎体温が下がらず高めです。
体外受精を勧められていましたが、その前に自然に授かりたいとのご希望でした。

子宮内膜症で炎症の状況がひどい場合、月経中の体温が高いことが特徴です。このような状況だと,炎症の環境によって先ほどご紹介したように、卵の質の低下や、受精障害、着床障害に繋がります。

腎を温めて気血の流れを良くする漢方薬で老廃物をきれいにしながら、炎症を改善するために清熱解毒の、「金銀花」「野菊花」などを含む漢方薬を周期にあわせて服用していただくことになりました。

ここで大切なのは、「清熱」の方法です。基本的には冷え性ですから、身体を芯から冷やしてしまわないようにしながら「清熱」していくことが大切です。
そのような場合「花類」は、軽く清熱しながら炎症を改善する働きがあるので、芯から冷やす生薬と違って、このような場合にふさわしい生薬です。

炎症の改善、月経痛の改善をベースにしますが
中国の師である「周期調節法の父」「夏桂成国医大師」から「子宮内膜症」の大きな原因は「腎虚」と教えていただきました。
この腎を補うことで、子宮内膜症が改善すると言われたことが、いつも心にあります。

確かに、腎虚により「免疫」が弱くなり、子宮内膜症の発生の原因になるでしょうし、排卵、月経がスムーズでは無くなるので、さらに悪化する原因に繋がります。
Aさんは徐々に体温や、月経痛などの状況が改善し
安定した基礎体温がみられるようになりました。

2年後妊娠、喜びもつかの間、チョコレート嚢胞による脛捻転で卵巣を一つ失ってしまいました。その後無事出産、2人目を考え始めた矢先、残りの卵巣に6センチほどのチョコレート嚢胞が発症し、再来店されました。

再び周期調節法による漢方薬の服用を開始、1年後に自然妊娠されました。無事出産後「いろいろありましたが、元気で生まれてきてくれたら辛い事も忘れます」と嬉しいお便りをいただきました。

Aさんは、2人のお子様を自然に授かることができ、本当に良かったと思います
自然妊娠にこだわられていたので、2年の年月を要しました
幸い経過もよく、夢がかないました。
ただ、体外受精を視野に入れておられる場合
数カ月、もしくは3カ月だけでも漢方薬を服用することにより、炎症の状況が改善し、体外受精の一助になるため、状況によって判断することが大切だと思います。

先日、素敵な切り絵をいただきました

湖南三山の国宝長寿寺の御朱印とのことです。
何時でもあるのか伺い忘れてしまいましたが。

長寿寺の本尊は子安地蔵菩薩です。
早速相談コーナーに飾らせていただきました!

実は、この切り絵滋賀県の切り絵作家「早川鉄平」さんのものです。
お客様の中にもファンがそこそこおられ、この切り絵を見ただけで
「これは早川鉄平さんのものですね💕」と声をかけていただきます♬

子宝のご縁、皆様に授けられますように
妊娠、出産された方からいただいたものです
願い叶いますように。