日中は汗ばむ日も増え、
初夏の気配を感じる頃になってきました。
季節がまたひとつ進んだように感じるこの頃です。
さて、今回報告する症例は、不眠に悩む女性の方です。
症状が出始めたのは今年の7月頃。
眠れない日が続き、病院で睡眠薬を処方され、最初は眠れていたそうです。しかし徐々に薬が効きにくくなり、薬の種類も増えていったことで、不安を感じて当薬局へ来られました。
問診を進め、さらに糸練功を用いて体の状態を確認すると、“肝”の病の反応が見受けられました。
東洋医学では、感情と五臓は深く関係していると考えます。
ストレスはどの臓にも影響しますが、特に“肝”は怒りやイライラと関係が深い臓です。
また東洋医学には「肝は筋を司る」という言葉があり、肝のバランスが乱れると、筋肉に力が入りやすくなったり、常に緊張した状態になりやすい特徴があります。
今回のケースでも、常に気が張っていて力が抜けない状態に加え、イライラしやすい、気持ちが昂ぶりやすい状態が潜在的にあったのではないかと考えられました。
こうした“肝気の昂ぶり”が続いたことが、不眠の形成に深く関わっていると予想されました。
そこで今回は、
昂ぶった肝気を鎮め、気持ちの高ぶりを落ち着かせる漢方薬を中心に、体質に合わせて処方を組み立てました。
すると服用後まもなく、
「久しぶりにしっかり眠れた」
と変化が現れ、睡眠だけでなく日中の体調も安定していきました。
1カ月ほど経った頃には、病院の先生と相談しながら睡眠薬の数を減らすことに。その後も順調に減薬が進み、5カ月後には睡眠薬を使わずに眠れる状態になりました。
現在も問題なく眠れており、安定して過ごされているようです。
元気を取り戻され、穏やかに過ごされている様子を伺い、こちらも嬉しく思いました。
これからも、一人ひとりの体質や状態を丁寧に見極めながら、少しでも力になれるよう研鑽を重ねていきたいと思います。








