滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2026年3月分をご紹介いたします。
バックナンバーはこちら(お悩みの症状に関連する記事を検索していただけます。)
今月は、第291回『精神不安、体調不良…~春は肝の気をのびのびと~』です。
70代のSさんは認知症の主人と体調不良の娘さんをかかえ、不安で押しつぶされるようで、眠剤なしでは寝られなくなりました。
気持ちの切り替えが出来ず、元気がなく、食欲も落ち、やる気が出ません。
頭が重く、肩こり、腕がこわばり震える感じがするなどの症状も加わり、このままではどうかなってしまうのではと思うようになりました。
東洋医学では「七情(怒喜憂思悲恐驚)の内因なければ六淫の外邪(風寒暑湿燥火)犯さず」と言い、病の大本は精神的な乱れが原因であると説いています。
Sさんには肝の気をスムーズに巡らせる漢方薬、気力を補う漢方薬、血流を良くする漢方薬を選びました。
効果はかなり早く現れ、一か月で少し元気が出てきて、2か月目には眠剤を飲まずに寝られるようになりました。
その後も順調に経過して5か月目には全く元気に過ごせるようになりました。
Kさんは仕事でずっと気を張っていたのが溜まり溜まって体調がくずれてしまいました。不安感に襲われ動悸がしてきます。
首や肩のこりもひどく、胃腸の具合も良くありません。
Kさんには肝気の流れを整え、気持ちを緩め、血流を良くする漢方薬を選びました。
ひと月半ほどで少し良い効果が現れ、8か月目にはほぼ問題なく仕事ができるようになりました。
春は漢方では「肝」の季節であり、自律神経、精神や感情に係る肝の気を整え、気の巡りを良くすることが養生のポイントです。
万物が芽生える発陳の春、寒い時期にため込んでいたエネルギーを発散し、のびのび過ごすためには肝気の巡りが大切です。









