日曜日、東京に南京中医薬大学病院の院長先生である、劉沈林(りゅうしんりん)先生が講演に来られるということで、お目にかかりに行きました。
半年ぶりの再会です。
先生は特に消化器腫瘍が専門です。
悪性腫瘍の中でも7割ほどが消化器腫瘍(胃、腸、食道)とのことです
以下先生の話から少し抜粋
近年、がん治療の方法はかなり進歩しているが、
悪性腫瘍の脅威は減っていない。
中国では20年前から、中医に対する要求が高まっている。
中医学と併用する利点は
1.副作用を心配せずに、苦痛を取ることができる
2.治療による副作用を防ぐことができる。
結果として治療を最後まで受けることができ、治療を成功につなげる。
3.再発を防止できる
4.延命効果がある。
これらのことは、とても大切なことであり、
ますます中医学の需要は増えるだろうし、期待もされている
このような話と共に、
病院での具体的な症例と、対処方法を教えて下さいました。
見事に中医学と西洋医学とがお互いの利点を生かして手を取り合っています。
人には自然治癒力があります。
その力によって、毎日2千個から6千個できているがん細胞から
自分の体を守ることができています。
体全体のつらい症状を治すということは、
最終的にはその人が持っている自然治癒力を
最大に発揮させることにもつながります。
最後に一言、劉先生から
がん細胞を殺すことばかり考えてはいけない。
何センチ小さくなった、腫瘍が消えたか、そんなことにとらわれていると、
大事なその人自身がだめになる。その人自身を全体から見なければ治療はうまくいかない。
どんな病気についても言えることですね。
大切なことをもう一度再認識してきました。
後半は、S先生が、末期癌で、腹水や肺に水が溜まって呼吸もままならず、
余命も半月と宣告された状態から、
中医学の対象法で奇跡の生還を果たされ、14年間元気でご活躍されている、
体験談の講演でした。
同じ研究会なので、よくお話もさせていただきますし、
体が悪かったと聞いたこともあるのですが、
そのようなすごい病歴をもたれているとは思いもよりませんでした。
本人による講演はやはりインパクトがありますね。
淡々と話されていましたが、素晴らしいことだと思います。
体はくたくたでしたが、有意義な1日でした!
ところで、劉院長先生は東大で留学生として学ばれた経験があります。
そのため、日本がとても好きで、
私達が南京に研修に行っても、そのお陰で、皆さんからとても歓迎していただけます。
「日中関係は悲しい過去がありましたが、それは過去のこと。
これから私達はお互いに、いい面を学びあわなければなりません。」
そう話されていたことが、とても印象的でした。
「私は、日本が好きです。ですから、学生にも、病院でも日本の良さを紹介しています。
皆さんが研修に来られたときも、それは感じていただけたと思います。」
本当にそのとおりでした。
今そうおっしゃることは、とても勇気の必要な事と思います。
私達が研修に行っても、本当にすべてを見せていただけましたし、
今回の講演も心のこもった貴重な話でした。
この思いは、大事にしなければならないと思いました。
劉先生、本当にありがとうございます
夜は南京研修メンバーにより、懇親会をさせていただき
劉先生は、「北国の春」を上手に歌われ、
最後握手と共に、お別れいたしました。