12月のはじめに初雪が降った後、ぱったりと止み、
もしかしたら今年は穏やかな年末年始を過ごせるかも?と思っているところです(毎年すごいですから…)。
ずいぶん経ってしまいましたが、10月に行ってきた中国研修についてブログにしましたので、ぜひご覧くださいませ♪
十年ぶりの北京へ
日本からたった4時間の隣の国
10月11日~15日の5日間、中国・北京で婦人科の研修に参加してきました。
コロナ禍や政治情勢で十年ぶりの中国。
まず驚いたのは、北京まで飛行機で4時間かからないことです。
体感的には、離陸後、身の回りを整えているうちに夕食が運ばれ、同行する先生方とお話ししながらゆっくり食べ終わると、すぐに着陸態勢に入るような感覚でした。
今回、気圧対策として、飛行機搭乗の30分ほど前に勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)と頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)を飲み、気圧調節機能付き耳栓をつけたり、エコノミー症候群対策として、定期的に足を動かしたり、冠元顆粒(かんげんかりゅう)を飲んだりしていたのも良かったのか、とても快適な空の旅でした。
次に驚いたのが、10年前とは様変わりした北京首都国際空港。
とても洗練された美しいデザインで感動しました。

中医学の最前線から
西京中医医院の婦人科外来
北京についた翌日から2日間、婦人科研修を行いました。
中国では、西洋医学(現代医学)と中医学(日本でいう漢方)が、二本柱として医療を支えています。
両者は互いに連携しており、時には患者を救急車で送り合うそうです。
中医学の病院を中医医院といい、今回お世話になったのは、西京中医医院の婦人科外来。
担当の王必勤(おう・ひつきん)教授は非常に高名な名医で、受付を待つ人の列が病院の外まで続きます。
1日に80人~100人、主に30代後半~50代の、不妊症や月経不順、子宮内膜症などの婦人科疾患に悩む方が多く来院していました。
現代の中医医院では、「中西医結合(ちゅうせいいけつごう)」といい、中医学だけでなく、現代医学の知識や技術も取り入れ、双方の長所を活かした治療が行われています。
王先生の婦人科外来でも、中医学的な望診・問診・脈診・舌診だけでなく、エコー検査や血液検査などの現代医学的な検査も行われており、煎じ薬や鍼灸に加え、ホルモン剤なども適切に使われていて、とても恵まれた医療体制だと感じました。

王必勤先生の序貫療法
王先生は、「序貫療法(じょかんりょうほう)」という考え方に基づいて治療されていました。
これは、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期を順番に巡らせることを重要視する考え方で、卵胞期が長引いても焦らず、それよりも、例えゆっくりであっても、卵胞をきちんと成熟させることを大切にする考え方です。場合によっては、90日でも待つというお話が印象的でした。
中医婦人科は日々進歩しており、一様ではありません。
月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の各日数を大切にする考え方もあります。
しかし、確かに、卵胞の育ちが非常にゆっくりで、そのうえホルモン剤が合わずに体調を崩したり、卵胞と内膜の成長のタイミングが合わなかったりと、治療の過程で悩む場合も少なくありません。
この「序貫療法」のように体のリズムを尊重しながらじっくり整えていく考え方は、多くの人に希望を与えるのではないかと感じました。

暮らしに息づく中医学
薬食同源と養生文化
中医学には、「薬食同源(やくしょくどうげん)」といい、“薬と食事の源は同じで、日々の食事は薬と同じくらい効果がある”という考え方があります。北京では、この薬食同源が生活に根付いていることを、行く先々で感じることができました。
例えば、ホテルの朝食バイキングには、必ずお粥が数種類並びます。

お野菜のメニューや、胃腸に良い蒸し料理も豊富でした。
そして、街中のロバ肉専門の食堂では、体の熱を冷ます生薬が入った涼茶(りょうちゃ)が提供されました。
これは、体を温める力が強いロバ肉や辛い料理とのバランスを取るためです。

印象的だったのは、王先生の診察中に食養生の話がほとんど出てこなかったことです。
王先生のお弟子さん(医師)にその理由を聞いたところ、補気(気を補い体を元気づけること)や補血(血を補い体を栄養すること)といった中医学の基本的な知識は、中国人にとっては当たり前で知らない人がいないため、わざわざ説明する必要がないからだそうです。
確かに、なんとなくつけたテレビのニュースで、「補気健脾!」(気を補い胃腸を元気づけること)と大きく紹介されており、養生文化が社会全体に根付いていることを実感しました。
今回の研修を通じて、中医学が現代にも生き続け、進化し続ける医学であることを実感しました。
現在、研修で持ち帰った症例をまとめる作業を続けており、
学んだことをいかに漢方相談に活かしていくか、これからが一番大切だと思っています。
これからも研鑽を重ね、日々のご相談に丁寧に向き合っていきたいと思います。







