滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2025年10月分をご紹介いたします。
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今月は、第286回『北京婦人科研修レポート~中医学の最前線から~』です。
-以下、記事本文-
10月11日~15日の5日間、中国・北京で婦人科の研修に参加してきました。
中国では、西洋医学(現代医学)と中医学(日本でいう漢方)が二本柱として医療を支えています。
両者は互いに連携しており、時には患者を救急車で送り合うこともあるそうです。
中医学の病院を中医医院といい、今回お世話になったのは、西京中医医院の王必勤(おう・ひつきん)教授の婦人科外来です。
王先生は非常に高名な名医で、毎日80人~100人ほどの患者を診察されています。
受付を待つ人の列が病院の外まで続くほど人気で、主に30代後半から50代の不妊症や月経不順に悩む方が多く来院していました。
王先生が重視されていたのは、「序貫療法(じょかんりょうほう)」という考え方でした。
中医婦人科は日々進歩しており、考え方も一様ではありません。
月経期、卵胞期、黄体期のそれぞれの日数を大切にする考え方もあります。
しかし、確かに、卵胞の育ちが非常にゆっくりで、そのうえホルモン剤が合わずに体調を崩したり、卵胞と内膜の成長のタイミングが合わなかったりと、治療の過程で悩む場合も多いようです。
この「序貫療法」のように体のリズムを尊重しながらじっくり整えていく考え方は、すぐにでも応用でき、多くの人の希望を叶えるのではないかと感じました。









