滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2026年1月分をご紹介いたします。
バックナンバーはこちら(お悩みの症状に関連する記事を検索していただけます。)
今月は、第289回『中々治らない右足の痛み…~厄介な痛みも漢方で解決~』です。
60代女性のSさん、ある日ぎっくり腰を起こしたことをきっかけに、右足を中心とした痛みとしびれが出るようになり、不安を感じての相談です。
ぎっくり腰そのものはこれまでも何度か繰り返していましたが、足にまでしびれが広がったのは今回が初めてで、「今までとは明らかに違うつらさがある」と感じていました。
これまでに鍼や整体など、さまざまな方法を試しましたが改善は見られず、「何か他に良い方法はないか」とのことでした。
東洋医学では、痛みの原因を大きく二つに分けて考えます。
一つは「不通則痛」といい、気・血・水の巡りが悪くなり滞ることで生じる痛み。
もう一つは「不栄則痛」で、体を養う気・血・水が不足することで起こる痛みです。
この法則に従って体質を見極め、それぞれの体質に合わせた漢方薬出すことが、改善の鍵となります。
Sさんの場合、下半身を中心とした水分代謝の乱れがあり、それが痛みやしびれを引き起こしていると考え、水の巡りを調節する漢方薬を選びました。
また「風湿」という、しびれの原因になるものを取り除く漢方薬も加えました。
服用開始から1カ月ほどで痛みがやや軽減し、4カ月が経つ頃には朝の痛みがはっきりと減少。
6カ月目には痛みやしびれはほとんど気にならなくなりました。8カ月でお薬を終わりました。
繰り返す腰の不調や、これまで経験したことのないしびれも、体の内側から整えることで改善が期待できます。
漢方薬は、症状の背景にある体質そのものに目を向ける選択肢の一つです。









