滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2017年9月分をご紹介いたします。
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今月は、第189回『秋の味覚を楽しむ~キノコのちから~』です。
-以下、記事本文-
爽やかな風が心地よい秋になりました。
今、芳醇な味と香りで食卓を豊かにするキノコが旬を迎えています。
キノコと言えば、「きのこのこのこ げんきのこ」という歌詞でとても有名なCMソングがありました。
「げんきのこ」とはよく言ったもので、東洋医学の考え方では、きのこは体を元気にする食材とされています。
例えば、椎茸や舞茸はエネルギー不足でお疲れ気味の方に良く、しめじは貧血気味あるいは貧血で力が出ない方におすすめです。
高級食材でもある松茸は、体を元気にするのに加えて食欲増進の効果もあるため、食欲の秋にピッタリの食材です。
キノコの中でもとりわけ体に対する効果が高いものは、生薬として使われます。
茯苓は、主に中国湖北省や雲南省、広西省などで9月から10月にかけて収穫されるキノコの一種です。
胃腸を元気にして水分代謝を改善する生薬として、香砂六君子湯や半夏白朮天麻湯などのよく知られた漢方薬に含まれます。
どちらも天候の変動が激しい春秋に重宝する漢方薬です。
30代のYさんは、天気が悪い日や台風の前は必ず頭痛やめまいに悩まされ、食欲も無く、ひどい時には吐いてしまうとお困りでした。
初回来店時も曇り空で、とても辛そうにされていました。
Yさんには、香砂六君子湯を基に製剤化された漢方薬を1カ月お飲み頂きました。
1カ月後にお会いした時も生憎の天気でしたが、ばっちりとお洒落していらっしゃり、素敵なお姿に驚いて尋ねると、これから友人とディナーだと笑顔で答えられました。
気温、気圧の変化についていけずに体調を崩しやすい季節の変わり目、キノコの力を借りて『げんきのこ』で過ごしたいですね。
※記事のタイトルが間違っています。申し訳ありません。