滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2023年9月分をご紹介いたします。
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今月は、第261回『過剰な確認行為…~肝気の欝結を改善~』です。
-以下、記事本文-
38歳のYさんは確認行為がひどくてとても困っています。
電気のスイッチやガスコンロの栓、家の戸締りなどを何度も確認してしまい、わかっていながら確認してしまいます。
確認を我慢しようとしても良くならず、つらくしんどく、毎日泣きながら確認するという状態です。
元々10代の時に一度発症し、3年程で良くなったのですが、その後うつ病にもなり、うつが治った後、またひどい確認行為が出たとの事です。
向精神薬も長く飲み、周りの方からのアドバイスで色んな療法も試してきましたが、長期間症状も強く、病院にも相談して漢方薬を求められました。
Yさんには肝気の欝結に対して気の流れを改善する事を中心に、緊張を緩め、安神作用のある薬方等を選びました。
大変長いお付き合いになりましたが、本人の環境も大きく変わり、パート勤務までできるようになりました。
43歳のNさんは車の運転中に誰かを引いてしまったのではないか、何かにぶつかったのではないかという恐怖と、仕事の作業で何回確認しても不安になり、確認した記憶もなくなると困っています。病院に行く時間もなく、新薬も飲みたくないとの事で漢方をお求めです。
Nさんも気の滞りを改善する事を中心に薬方を選び、車の運転や仕事でもあまり気にならなくなりました。
漢方は期間がかかることもありますが、病名にとらわれなくても、症状や体質の傾向から薬方を選ぶことが出来、体に優しく治癒力を高めるのが長所です。