滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2017年12月分をご紹介いたします。

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今月は、第192回『冬の邪気にご注意~痛み・しびれ・むくみ~』です。

-以下、記事本文-

「子供は風の子」とは有名なことわざですが、実はその後に「大人は火の子」と続くそうです。
子供は寒風が吹いても外で元気に駆け回るが、大人は寒さに弱く火の側を離れないという意味とのこと。
我が家でも例に違わず、連日ストーブの前で争奪戦が繰り広げられています。

この時期、寒さに弱い大人の皆様を悩ますのは「痛み・しびれ・むくみ」です。
今まで無かった症状が出始めたり、症状が酷くなり我慢できずに来店される方が増えます。

東洋医学では、体に害を及ぼす寒さや冷たさを寒邪、湿気や水気を湿邪、これらの邪気を連れてやってくる風を風邪(ふうじゃ)として避けるようにしています。
寒邪と湿邪は、凝滞・収斂・重濁などの性質を持ち、血管や経絡の流れを悪くしたり、筋肉を収斂させたりして「痛み・しびれ・むくみ」を引き起こします。
風邪は、寒邪と湿邪を連れて来たり、これらと絡まって症状をより複雑にしてしまいます。
冬はこの3つの邪気が多い季節なのです。

40代のHさんは、昨年12月から腕がだんだん上がらなくなり、時々起こる激痛としびれ、むくみが我慢できなくなり今年3月頃来店されました。

Hさんには、風寒湿を取り除いて経絡の通りと血流を良くする漢方薬をお飲み頂いたところ、二週間でむくみとしびれがほぼ無くなり、痛みも少しずつ改善して3ヵ月で漢方薬をやめることができました。

風寒湿の邪気は時間の経過と共に絡み固まり、治りづらくなるため早めの対処が大切です。
もっと大切なことは、暖かい服装を心掛け不用意に風に当たらないようにする、雨雪に降られたらきちんと拭く、洗濯物はしっかり乾かす、などに気をつけて、風寒湿の邪気を受けないようにすることです。

滋賀夕刊掲載【第192回】漢方薬のおはなし