滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2020年11月分をご紹介いたします。
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今月は、第227回『腕が上がらない、痛み、しびれ~五十肩、肩関節周囲炎~』です。
-以下、記事本文-
両腕ともに肩から先がしびれてだるく、後ろに回すとひじまで引きつれると言われるTさん。
指のしびれは15年以上前からあり、日によってひどい時やマシな時もあるとの事でした。色々検査や治療などしてきたが、もう一つ良くならないと相談を受けました。
職場では多くの仕事を任されて大変忙しくされ、無理もされておられるのでしょう。
Tさんには水分代謝を改善し、肩関節部の骨の代謝を上げる漢方薬、阻害された血流を改善する漢方薬を飲んで頂きました。
最初ひと月程はあまり変化しなかったのですが、2か月経つ頃に引きつれとしびれが少しマシになり、9か月の服用でほとんど症状はなくなりました。
右腕が肩より上に挙がらなくなったEさん、肩からひじまでは痛みとしびれがあります。肩こりもひどいとのご相談でした。
Eさんには水分代謝を良くする漢方薬、血流を改善し、筋肉の凝りをほぐす漢方薬、擦り減った関節の修復を助ける働きのある漢方薬を飲んで頂きました。
4か月程の服用で痛み、しびれもなくなり、腕も違和感なく上がるようになっています。
また肩こりはずっと以前からつらいということで予防的に瘀血を改善する漢方薬を続けてお飲みです。
肩や腕の痛み、しびれ、だるさ、可動域の制限などの症状は、関節の炎症や老化、変形等が原因している場合が多く、これには漢方薬がとても効果的です。
不通則痛、不栄則痛…、滞った気血の流れを改善し、悪くなった組織の代謝を良くする事が漢方治療の原則です。