滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2020年9月分をご紹介いたします。
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今月は、第225回『慢性の頭痛…~瘀血も冷えもストレスも~』です。
-以下、記事本文-
数年前から頭痛に悩まされている24才のHさん、こめかみを中心にひどい痛みが数日続き、月に何回も起こります。
病院の検査では異常なく、鎮痛剤は飲んでも効きません。
生理中は余計にひどくなり、肩こりもあります。
この方には血流を良くして瘀血を改善し、気の上衝を発散させる漢方薬を選んだところ、3か月目で生理の時に少し痛むぐらいになりました。
69才のKさんは、頭の両側にどーんと重い感じ痛みが頻繁に起こります。
頭痛はずっと昔からあるとの事、高血圧傾向で降圧剤はお飲みです。
Kさんには胃腸機能を整え水分代謝を調節し、脳の充血と自律神経の興奮を鎮める薬方を選んだところ、4か月ぐらいでほぼ頭痛は起こらなくなりました。
11歳のNさんは、小学校入学したころから頭痛があり、学校が休みの時でも関係なく、ほぼ毎日痛むとの事。
頭の両側が痛み、ひどいときは鎮痛剤を飲みます。CT検査等では異常がありません。
お聞きするとアイスクリームや冷たい飲み物が好きとの事で、Nさんの頭痛は胃腸の冷えが一番の原因と考えられ、胃腸を温め、気の流れを改善する薬方を選びました。
飲むと楽になるため、しっかりと漢方薬はお飲みになり、冷たい物も控え、一年ほどで漢方薬をやめることが出来ました。
漢方医学では同病異治と言い、同じ頭痛でも異なった薬方を選定します。活血化瘀、平肝熄風、温裏解表、温中降逆、散寒降衝…等、その方の状態に合わせ治則を決定し、身体を太極の状態に導くことが漢方の真髄です。