滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2017年6月分をご紹介いたします。

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今月は、第186回『 更年期の悩み・・・~ほてり、不眠、のどの異物感~』です。

-以下、記事本文-

「子育てが終わって第二の人生!」そう思う気持ちと裏腹に、閉経を迎えた女性には「更年期」という試練が待ち受けています。
「少しでも楽に更年期を過ごしたい」すべての女性が心から願うところです。

更年期の症状は人によって様々で、代表的なものは「ホットフラッシュ」と言われる「ほてり、のぼせ」です。
多少熱くなる程度ならいいのですが、あまりの熱感に、つらく感じることも。
その上、のどの異物感が常にあり、息もしづらく、胸重苦しくなり憂鬱な気持ちになったり、眠れなくなったり・・・。
精神的に不安定になり心療内科に通院するようになることもあります。

漢方の考え方では女性ホルモンは「陰水」であり、閉経と同時に女性ホルモンがなくなると「陰水」が不足し、ほてりを感じるようになると考えます。
急激な体の変化で自律神経は乱れ、不眠や、のどの異物感にもつながります。

ほてり、のぼせなどの症状には、陰水を補う「地黄(じおう)製剤」をベースとして、症状の程度によって、知母(ちも)、黄柏(おうばく)、黄連(おうれん)、女貞子(じょていし)を、のどの異物感などがあるときは半夏(はんげ)、茯苓(ぶくりょう)製剤などを、イライラや憂鬱な気持ちに悩まされるときには「柴胡(さいこ)」製剤を、眠りが浅い、寝つきが悪いなどの時は、柏子仁(はくしにん)、酸棗仁(さんそうにん)、琥珀(こはく)製剤などをバランスよく服用していただくと、更年期のつらい症状が軽減されます。

自分にあった漢方薬を上手に服用し、素敵な第二の人生を迎えられたら何よりですね。

滋賀夕刊掲載【第186回】漢方薬のおはなし