ひと月ほど邪気払いをして頂いたひな人形。
今年はちょうどひな祭りが日曜日、次の日の月曜がお店の定休日のため、タイミング良く仕舞うことが出来ました。
仕舞うのも随分と慣れてきて、一時間ちょいで終わり一安心です。

さて今回は少しレアなケースのご紹介です

58歳 男性 涙嚢炎

 7年前に両目とも涙嚢炎になり、一年後バイパス手術をされました。
手術後も度々炎症を起こし、その都度抗菌剤の目薬で抑えることはできていました。
しかし、数か月前に目にゴミが入ったことから炎症を起こし、それからは数種類の抗菌目薬を使われましたが、抑えられなくなったとのご相談です。
涙嚢炎は目から鼻への涙の流れが滞り、涙の通り道(涙道)にある涙嚢の中で菌が繁殖し、炎症が起こる病気です。
原因の多くは涙嚢から鼻へとつながる鼻涙管が閉塞や狭窄(狭くなること)している事によります。
涙や目やにが多くなり、涙嚢を圧迫すると膿が涙点から出てくるのが特徴です。
ひどくなると涙嚢の周囲にまで炎症が広がり、涙嚢の部分の皮膚が赤く腫れ、痛みを訴える場合もあります。
この方は7年前に涙道のバイパス手術をされたのですが、また炎症を起こし、化膿して膿が出ている状態でした。
再手術を言われているのですが、気分的にも沈まれていて手術する気にならないとの事。
奥様から当店をすすめられて来店されたのです。
この方には煎じ薬で解毒、消炎、健胃、滋養作用のある薬方を選びました。
漢方の働きで膿の醸成、排出、新肉の生成を期待したものです。
服用後の経過がとても順調に進み、膿の出るのがだんだん減っていき、2か月で膿が出なくなりました。
また気分的にとても上向くことが出来て再手術の決心をされました。

漢方には解毒、抗菌、消炎効果のある生薬を組み込んだ化膿症に対する処方があります。
抗菌剤や抗生物質でうまくいかないときも方薬の出番はあるものです。


(長浜盆梅展の盆梅雛)