滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2019年3月分をご紹介いたします。

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今月は、第207回『ニッポンの痛み…~腰痛も神経痛も島国独特~』です。

-以下、記事本文-

三日に一日は雨が降っていると言われる我が国。
四方を海に囲まれ、おまけに滋賀県には琵琶湖があり、湿度が高いのはしょうがないようです。
漢方医学では病気の原因として血毒、水毒、気毒という考え方をする事がありますが、腰痛やひざ痛、神経痛などの痛みの原因で一番多いのは水毒です。
「水は寒なり」と云い、体の余分な水は冷えやすく、痛みは寒冷により悪化する事がほとんどです。

また日本は狭い国土に火山が多く、土も水もミネラルが少ない為、食事からの摂取ミネラルが不足しがちになります。
ミネラルは骨や関節の代謝にはとても重要で、関節の痛みが多い原因の一つとなっています。

80才のKさんは、7年前から腰痛と足のしびれでお困りです。それまではグランドゴルフもされていたのですが、杖無しでは歩けなくなってしまいました。
腰から太ももにかけて痛みとしびれがあり、右足はしびれで感覚がありません。
脊柱管狭窄症と言われ、手術もずい分前に勧められたがされなかったとのこと。

Kさんには風湿の邪を除く漢方薬と脾胃の力をつけて利水効果のある漢方薬をお飲み頂きました。
湿邪を除き水分代謝を整えることでミネラルバランスが良くなり関節が栄養され症状の改善に導くのです。

2か月目で痛みはほぼ無くなり、大分歩けるようになりました。
あと半年程度はしっかり飲む必要がありますが、高齢でも十分改善します。

水分は必要以上には取りすぎないこと、日本の水は美味しいのですが、ミネラルは充分に補えません。
ミネラルの豊富な小魚や海藻類を多くとることが食養生の基本です。

滋賀夕刊掲載【第207回】漢方薬のおはなし